児玉源太郎の訓示を見つけた。 あるいはその草稿か。 南満洲鉄道会社創立委員長として、同社の使命――大袈裟に言えばレゾンデートルとは何か、杭でも叩き込むような力強さで定義づけたものである。 蓋し味わう価値がある。 (Wikipediaより、児玉源太郎) 「日露の戦争は満洲の一戦によって了局すべきに非ず、第二の戦は果して何れの時に来るか、勝算未だ立たずんば自重して時を待つべく、仮令再戦して勝を得ざるも、猶前後の余地を留むべく、」 のっけからして凄まじい。 冒頭部分だけでもう、陸軍がロシアの復讐を――第二次日露戦争を、どれほど差し迫った危機として捉え、恐れていたかが窺える。 原田指月だけではなかった…