「避難小屋」という名前をどこで知っただろうか。 それは間違いなく昭文社の『山と高原地図(エアリアマップ)』、そう、登山者ならば誰もが持つ登山地図だ。ルートにコースタイムが描かれたガイドマップ。水濡れにも折りたたみにも強い「ユポ紙」で作られていたと記憶している。 今は冊子のカバーは何色だろうか。僕が山を始めた頃は青一色だった。あれはコースタイムと山の概要を知るにはちょうど良いが、地図一枚だけでは空恐ろしい。スケールが細かなニュアンスを読み取るには適さない五万分の一だからだ。山歩きには二万五千分の一。だからこれはあくまでも参考書の位置づけだった。けれど、そこには水場もガレ場や鎖場なども明記さ…