真っ昼間から湯船に浸かって本を読む。熱中すること150ページ、気がつけば2時間近くも経ってしまった。一緒に入った柚子たちと一緒に身体をしぼませて風呂を出る。脱衣所に自然光が差す景色には、罪悪感と優越感があった。 仕事を辞めて、僕はまた「ひとり」になった。昼の入浴はそんな事実をよりいっそう強調させた。別にパンツをはかないままリビングに飛び出したって、寒い以外は特に問題がない。世界の誰からも叱られることはないのだ。