ピアニストによって印象が大きく変わる名作遠い昔、ピアノの先生に「君にはシューベルトは違うんだろうな」と言われたことがある。シューベルトのピアノ曲をあまり好まないことを見透かされていたのだ。しかし、これほどの時を経て、シューベルトはクラシック音楽の長き歴史において、圧倒的なメロディメーカーだと強く信じるようになったのだが、そのきっかけが本作。この即興曲のOP90-899 3番を偶然ECMサイトでシフの演奏で聴いたのだが、その圧倒的とも言える音の描く美しい線に驚いてしまった。自分の嗜好の特徴なのだが、どうも長たらしい曲は苦手。なのでマーラーなんかはダメ(笑)なのである。その点シューベルトはあっさり…