林芙美子著「放浪記」(原典版)を読む ◆原典版を読むべし 図書館の棚から何気なく本書を取り出したら、原典版の「放浪記」で、これが読めたのはたいへんラッキーでした。それって、なんのこっちゃねん?・・実は「放浪記」には原典版と現代版があって、ほとんどの人は現代版、すなわち、新潮社の文庫本を読んでいるらしい。おなじ「放浪記」でも印象がまるで違う二種類が出版されているのです。 巻末で解説している森真弓はむろん原典版を強く推薦していて、234頁でこう述べている「私は古書店で改造社版の放浪記(1930 昭和5年発行)の復刻版を手に入れ、驚いた。それは現在の文庫版とはまったく印象が違う。どう違うかはあとで述…