幼少時に両親が離婚し、ずっと会っていなかった父親が認知症にかかり、父親の再婚相手の義母の姿もなくなっていた。 主人公の卓(たかし)を森山未來が演じる。 卓の妻の夕希を真木よう子が、卓の父親の暘二を藤竜也が、暘二の妻の直美を原日出子が演じる。 藤竜也が現実と妄想の境目が曖昧になっている暘二を迫真の演技で魅せる。 元大学教授の暘二のプライドと独善が絡み合って、暴発する様がリアルで怖い。 父親への愛憎を人間愛が少しずつ上回って、父親も義母も悩み多き普通の人間と受け容れるまでの卓の心情の移り替わりを森山未來が丁寧に演じている。 卓は脇役中心のそれほど売れていない俳優という設定だが、俳優が役の心情を理解…