8月6日。広島にとって特別な日。6:30に起床し、子どもたちの朝食を作る。玉子焼きとウィンナー、そしておにぎり。いつもと同じメニューだ。いつもと同じということがどれだけありがたいことか、今日は特に身にしみて思う。 今日は小学校の登校日でもある。7:20頃、息子二人を送り出し、本を開く。原民喜『夏の花・心願の国』から表題作「夏の花」を読む。1949年刊行の本作は、著者・原民喜が自身の広島での被爆体験を元に書いた作品だ。主人公の「私」は、広島に原爆が投下される少し前に妻を病気で亡くし、それまで暮らしていた東京から故郷の広島に疎開してきていた。軍事産業の工場を営む実家での、兄弟やその家族たちと生活の…