かつて人類の祖先は新たな土地を求めて移動した。それをいつしか『旅』と呼ぶようになった。今やその移動手段は多岐に渡り、人の移動はますます活発化した。 いつの日か、それは宇宙へ。 月を中継地点に、太陽系をクルーズするような時代はやってくるのだろうか。 化石資源を使い果たし、緩やかに滅亡へと向かう地球の人間社会と、月で新たな資源を発見した人類。月で生まれた少年は、家族旅行で土星へと向かう途中の少女に出会う。 そんな遠い未来を舞台にしたSF小説『100%月世界少年 (創元SF文庫)』はどこか幻想的で、アーティステックな魅力がある。 なにせ、小説も未来も、人が作り出すアートなのだから。 SUMMARY …