L'Ann醇Pe derni醇Qre 醇A Marienbad
男が、整然とシンメトリックに設計された庭を持つ城館にまぎれこむ。そこでは社交界のお歴々が集まり、退屈なパーティに興じている。男は誰の気にもかけられずに館内を歩き回り、女を見つける。女とは去年に会っていた、マリエンバートで……。女にはその記憶がないが、男に迫られるうち、過去と現在の境が消えて、男の言うような記憶を作り上げていた。二人は愛し合い、一年の後、ここで会う約束をした、と。
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去年マリエンバートで HDニューマスター版 [DVD]
作品名洒落ていると思う。 ヌーヴェル・ヴァーグ主流のカイエ派に対し、左岸派を代表する、アラン・レネ(Alain Resnais)監督による作品。ヴェネツィアで金獅子賞。ちなみにカンヌ国際映画祭は、レネの左翼的な政治的見解を理由に、本作品の上映を拒否した。 登場人物はみな名が伏せられている。各々に何が起り、各々が何を覚えていて何を考えているのか明らかにはならない。過去と現在を行き来しながらストーリーは進む。「時間」と「記憶」が本作品のテーマと云えるだろう。 全編に渡り、パイプオルガン(最も古典的な楽器と云える)が無調音楽を奏でている。この古典とアバン・ギャルドのミスマッチが、何ともミステリアスな…
深まる秋、いかがお過ごしでしょうか。 週末、ピアノ音楽会に行くことになり、 わずかばかり芸術の秋を堪能できそうな予感です。 ある作家が「芸術とは、美を追求しながら永遠性を目指すこと」と 語っていましたが、 遥か昔に作られていても古さを感じない、 時代を超越する美しさがあり、 過去にも現代にも未来にも通じるタイムレスな魅力があるものは どんなジャンルのものでも素晴らしいなと感じます。 私にとっては、自分の中でタイムレスだと思っている 古い時代の映画や音楽。 特に60年代のフランスは、今でも色褪せない魅力に溢れています。 カトリーヌ・ドヌーヴにアンナ・カリーナ、ブリジット・バルドーなど ヌーヴェル…
【あ】アーモンドの樹(ウォルター・デ・ラ・メア)アイオワ野球連盟(W・P・キンセラ)愛の果ての物語(ルイザ・メイ・オルコット)青い花(レーモン・クノー)赤い高粱(莫言)赤毛のサウスポー(ポール・R・ロスワイラー)悪魔なんかこわくない(マンリー・ウェイド・ウェルマン)悪魔に食われろ青尾蠅(ジョン・フランクリン・バーディン)悪魔の収穫祭(トマス・トライオン)悪魔のベッド(ジャン・レイ)悪魔はぼくのペット(ゼナ・ヘンダースン)悪夢の化身アシスタント(バーナード・マラマッド)明日に別れの接吻を(ホレス・マッコイ)熱い太陽、深海魚(ミシェル・ジュリ)あっぱれクライトン(J・M・バリー)あなたはタバコがや…
「蜂蜜」で第60回ベルリン国際映画祭金熊賞を受賞したトルコのセミフ・カプランオール監督が7年ぶりにメガホンをとり、ダークなディストピアを美しいモノクロ映像で描いたSFドラマ。近未来。種子遺伝学者のエロールは移民の侵入を防ぐ磁気壁に囲まれた都市に住んでいるが、その都市内の農地が原因不明の遺伝子不全に襲われてしまう。エロールは人類の危機を救うため、遺伝子改良に関する重要な論文を執筆中に姿を消した同僚研究者アクマンを探す旅に出る。主演は「グラン・ブルー」のジャン=マルク・バール。共演に「サラエボ、希望の街角」のエルミン・ブラボ、「夏の終止符」のグレゴリー・ドブリギン。2017年・第30回東京国際映画…
「つい去年の夏も、私は、マリーエンバートで……」 エッカーマン『ゲーテとの対話』1824年2月29日、日曜日(山下肇訳) 『去年マリエンバートで』という映画。アラン・レネ監督、アラン・ロブ=グリエ脚本。名作と言われ、難解と言われる。豪華なセットや衣装、巧みなカメラワークと比較して、ストーリーはミニマムで反復が多いところが難解さの原因だろうか。 よく語られる紹介はこんな感じ。「ある男があるパーティで、「去年マリエンバートでお会いしましたね」と女に語りかけて当時の様子を語るが、女は身に覚えがないと答える。そんなことはない、私とあなたは恋に落ち、一年後の再会を約束した、と男は去年起こったことを語り続…
レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「薔薇のスタビスキー」(1974)です。 苦手なアラン・レネ監督作品です。いや、彼の映画難しいですね。私にとっては睡眠薬のようですが。でも「去年マリエンバート」は降参しましたが、もっと解かり易い「ミュリエル」「戦争は終わった」は見ているんですよ。良い作品でした。でも、この映画はもっと良いと思います。1930年代のスタビスキー事件を描いたこの作品は、ノスタルジーに溢れていて… 映画は、1933年フランス、ロシア革命で権力闘争に敗れたトロッキーがフランスに亡命してくるところから始まります。小舟に乗った彼は、マルセイユの…
1958年にフランスで作られた近未来SFで、わずか28分の短編とな。メトロポリスみたい? 動画じゃなくて静止画?音の出る絵本?PC黎明期にサウンドノベルって言ってたやつみたいだな。(…とほぼ同じことが解説に書いてある)つかみどころのない、ふわふわと幻覚剤でも摂取して夢を見ているような雰囲気は「去年マリエンバートで」も思い出します。 監督はアラン・レネの助監督とか、いろいろやってた人なんだな。テリー・ギリアムの「12モンキーズ」は前に見たけど、こんなお話だっけ。「サウンドノベル」的手法だと、気になったところの多くが、解説されずに流れていく。ずっともやもやしたまま見る。気になったまま終わる。意味は…
うちのパパは、子供の頃から私にこう言ってきた。 「サウンド・オブ・ミュージック」を観て泣かない奴は人間じゃない 「去年マリエンバードで」を観て感激しない奴は人間じゃない だがしかし、私はサウンドオブミュージックを観ても、泣くどころか何とも思わなかったし(いきなり歌い出すの嫌い)、去年マリエンバードでは全く意味がわからなかった(今でもわからない。ていうか、地球上にはアレがわからない人の方が多い)から、父親から見たら私は人間じゃないのかもしれない。 逆も然りで、私が感激したもの、これがわからないなんて生きてる意味ないよと思うものに、パパは無反応。 あっ、共通のものいっこ見つけた。「二百三高地」はパ…
「100円以下」と「回鍋肉」をエントリ・タイトルに使う案として 『去年マリエンバートで』や『ティファニーで朝食を』や 『謎解きはディナーの後で』やがモジり源として浮かんだが、 殊に『回鍋肉は100円以下で』とすると『謎解き』にマッチしたのだが、 いや、別に私は当該ミステリもドラマ版も別に好きなわけでもないのだった。 と、そこに至って急に元々のインスピレーション源だったらしき 『南京路で花吹雪』が割って入って来て めでたくタイトルは「100円以下で回鍋肉」に落ち着いたのだった。 共に中国絡みという点でも意にかなっているし。 タイトルではキリよく「100円以下」としたが 実際に細かく刻んでいくなら…
photo by Hello I'm Nik 銀行ATMのトラブル これまでの銀行体験から クレームのゆくえ 銀行ATMのトラブル ある夕刻、ATMで4000コルナ(KčもしくはCZK)を入金しようとしていた。物理的には、2000コルナ紙幣を2枚だ。 ところが、紙幣をいれて扉が閉まったあと、画面に現れたのは「2000Kč紙幣が1枚でよろしいか」という意味合いのメッセージであった。 おかしいな……そう思って、キャンセルのボタンを押したつもりが「この段階でのキャンセルは不可能」と表示されたまま、機械は停止してしまった。それでも、なんどかボタンを押下していると、扉が開き、紙幣がもどってきた。ただし1…
2009年 フランス 104分監督:アラン・レネ出演:アンドレ・デュソリエ、 サビーヌ・アゼマ 老いらくの恋? ★★☆ 引ったくりに遭ってバッグを奪われた歯科医のマルグリット(サビーヌ・アゼマ)。金を抜き取られて捨てられていた彼女の財布を拾って警察に届けたのが初老のジョルジュ(アンドレ・デュソリエ)。彼は財布に入っていた飛行機免許証の写真を見て、マルグリットに執着するようになる。 マルグリットは財布を届けてもらったお礼の電話をする。しかし、秘かにマルグリッドに会いたいと思っていたジョルジュは、その期待がかなえられそうになくて、貴方にはがっかりだと激しい非難の口調で電話を切ってしまう。なんだ、こ…
今年観た映画のマイベスト10【海外作品】 勿体ぶらずに1位から紹介! 1.桜桃の味 アッバス・キアロスタミ監督がカンヌ映画祭でパルム・ドールを獲得した作品。この映画は本当に神作品だな。自殺志願の男を主人公にして生きる意味を語る哲学的な映画。深く心に残る映画でした。 2.パピヨン アンリ・シャリエールの脱獄自伝小説をもとに名脚本家ダルトン・トランボが脚本を書いた。スティーブ・マックイーンとダスティン・ホフマンという二人の名優が共演。傑作! 3.活きる 中国の巨匠チャン・イーモウ監督作品。中国版「喜びも悲しみも幾歳月」というところだが、家族の物語だけでなく、政治に運命を左右された中国人の近代史も描…
「スルメ」っぽい印象ですw 面白かったです。凝った構成になってますね。第二変奏に入った時、「???」となりましたけどねw再読したら、別の味が出てきそうです。そういう意味で「スルメ」っぽい印象ですw 【去年マリエンバートで】という映画が多々引用されているのですがそのせいで、読み難くなっているのが残念。もう少しスッキリならなかったのかな・・・。 夏の名残りの薔薇 (文春文庫) 作者:恩田 陸 文藝春秋 Amazon
2000年11月、沖積舎から刊行された岩田京子(1937~)のエッセイ集。上下2巻同梱。装幀は戸田ヒロコ。 遅くとも一〇年前に出すべきであったエッセイ集を、私の怠惰のために今年出す。この一〇年以上、詩よりもエッセイを多く書いたために分厚い本になったが、一部分でも読んでいただければ幸いだ。 各章を次のとおり掲載誌別に構成した。 Ⅰ「PEN」及び「日本現代詩人会報」 Ⅱ「現代詩ラ・メール」 Ⅲ「思想の科学」など Ⅳ「思想の科学会報」など Ⅴ「幻視者」 Ⅵ「詩と思想」など Ⅶ「東京新聞」など(恒川京子名で発表したもの) 掲載誌の記載がないのは未発表の作品だ。 読みやすさのために、各章のエッセイは逆編…
11月7日(日)、日付が替わってすぐ、『ジョージア、ワインが生まれたところ(原題:Our Blood Is Wine)』というドキュメンタリー映画を見る。映像が綺麗だな、と思ったら、何と撮影にはiPhone6を使ったそうだ。ブドウの果汁を、地中の大きな甕に入れて、9ヶ月間寝かせて発酵させる、伝統的なワインの製法を守り続ける人たちが描かれている。樽は使わない。クヴェヴリ製法という、太古からの製法だそうだ。ジョージアはワインの発祥の地とも言われているらしい。手作業でブドウを収穫し、足で踏んだり、手で潰したりして、果汁を搾る。とても美味しそうで、アルコールを飲むとすぐ顔が真っ赤になってしまう僕の体質…
★★★★☆ 内容 数々の名作を撮った小津安二郎監督に対する評論。 感想 著者が指摘するように、小津作品は否定的な言辞を用いて賞賛されることが多いというのは確かにそうだ。「無駄がない」「カメラが動かない」「描かれる題材が変わらない」など。でも作品のシンプルさが際立っているので、他の映画では普通のものが小津作品では見られないことにどうしても注目してしまう。 本書では物語の内容よりも映像に何が映っているかを重視した評論が展開される。小津映画では食べ物を見せないとか階段を見せない、天気は常に晴天で季節感がないなど、言われてみれば確かにそうだなと気づかされる映像上の共通点が挙げられていく。でも小津作品に…
フランケンシュタイン伝説―海外ホラーSF短篇集 ジャストシステム Amazon メアリー・シェリー『フランケンシュタイン』を鼻祖として 脈々と語り継がれる人造人間の恐怖を扱ったホラー・アンソロジー全12編。 書肆鯖さんHPをウロウロしていたら目についたので購入、読了。 books-subba.com 以下、ネタバレしない程度に各編について。 ■ ロベルタ・ラネス Roberta Lannes 「完成した女(A Complete Woman)」 老女流作家が乳癌に。 入院した彼女を見舞った、その病院とは無関係の医師が告げた提案は……。 高階良子『地獄でメスがひかる』を連想。 但し、本作のキモは、…