アクト1:モモ、街に現れる 早春の柔らかな日差しが降り注ぐ午後。小さな街の公園の片隅に、ひとりの少女が佇んでいた。彼女の名はモモ。ぼさぼさの黒髪に、好奇心に満ちた大きな瞳。少し古びたコートを身に纏い、小さな手には小さな鞄を抱えている。 モモはここ数日、この公園近くのベンチで寝起きしていた。この街にやってきたばかりで、行く宛てもない彼女は、公園のベンチで過ごすことを選んだのだ。 モモは不思議な力を持っていた。それは、相手の話を辛抱強く聞き、その心の声に耳を傾けることができるというもの。彼女は自分のこの力に気づいていなかったが、自然と人々はモモの前に現れては、自分の悩みや秘密を打ち明けるのだった。…