「今朝は少し早起きをして、野寺観音へ。そこは、時間が止まったような場所でした。」 苔むした石段の荒々しい質感と、その先に佇むお堂の均整の取れた美しさ。背後の深い森が、まるでお堂を優しく抱きしめているような包容力を感じます。 「お堂の横に静かに立つ、大きな榧の木(ひだりまきがや)。 ゴツゴツとした、力強くねじれた幹にそっと手を添えてみました。 朝の空気を含んだ肌は、最初、ひんやりと冷たく感じられました。 けれど、そのままじっとしていると、 樹皮の奥からじんわりとした温もりが伝わってくるのです。 500年、この場所で雨風を凌ぎ、命を繋いできた木の体温。 それは、これから仕事へ向かう私を、 静かに、…