三代将軍家光の代の時に春日局が作り上げた大奥。しかし赤面疱瘡の蔓延により男の数は減っていき、世は女将軍が治めることになる。八代将軍吉宗の悲願であった赤面撲滅が実現したことによって世は再び男の将軍が治めることになった、ここまでがこの世界線における江戸時代の前提。つまりもともとは男中心だった社会が女による支配構造となり、それが男中心に戻ったということは支配されていた男たちは女たちに対して少なからず憎しみを抱え込んでいることにもなり、こうなると元より力では勝る男は女に対して“本来の歴史”以上に暴力的に振る舞うことになるのではないか───ということを、十二代将軍家慶が娘の祥子に性加害を繰り返していたの…