西川一草亭の日記「花うり日記」の翻刻は、『花道去風流七世西川一草亭:風流一生涯』(淡交社、平成5年3月)に収録されている。明治36年から39年までの日記で、1冊目の日記に「読書日記」との記載があるように、読書に関する記載が多い。翻刻者籠谷真智子氏の「概説」によれば、当時の西川家はかなりの借財をかかえ、一草亭は生花の師匠として活躍する傍ら、家業の花売りに勤しんでいた。裕福ではなく、様々な手段で読書用の本を入手していて参考になる。日記から、様々な読書環境を分類してみた。 ・図書館の本を読む (明治三十八年八月) 二日(水曜日) 晴 (略) 夜久シ振ニテ図書館ヲノゾク、眼指ス梁川文集モ病間録モナシ、…