右衛門府の尉(じょう)になった者が身分の低い男親を持ってて、人が見たら顔向けできない!って心苦しく思ってたんだけど、伊予の国から都に上るっていう時に海の波の中に落とし入れたのを、「人の心ほど情けないものはない」ってあきれてたんだけど、7月15日にお盆の供養をするということで準備を急ぐのをご覧になって、道命阿闍梨(どうみょうあじゃり)が、 わたつ海に親おし入れてこの主の盆する見るぞあはれなりける(海に親を落として死なせておいて、この人が盆の供養をするのを見ると、しみじみと身に沁みて物悲しいことだよ) とお詠みになったのは、いかしてると思ったわ。 ----------訳者の戯言--------- …