解答例 第1 設問1(以下、民事訴訟法は法名略。) 1 課題1 (1) 引換給付判決をすることができない場合、裁判所としては、請求棄却判決をせざるを得ない。それでは、裁判所は請求棄却判決と引換給付判決のいずれをすべきであるか。処分権主義(246条)との関係で問題となる。 (2) 処分権主義(246条)とは、訴訟の開始、審判の対象・範囲、判決によらない訴訟の終了に関する決定を当事者に委ねる考え方をいう[1]。その趣旨は、私的自治の訴訟法的反映にあり、その機能は相手方への不意打ち防止にある。そこで、原告の申立範囲内であれば、①原告の合理的意思に反せず②被告への不意打ち防止とならない限りで一部認容判…