第十三回 「論語」の世界観と老荘の道 ・論語の中には、没価値説やそれに基づく政治否認説がある。 ・直きを以て恨みに報い、徳を以て徳に報いよ → 新約聖書マタイ伝と比較される。老子にもある。 ・微子 第18には二つの没価値説者との遭遇が述べられている。 「鳥獣不可与同群、吾非斯人之徒与而誰与」 隠者たちは鳥獣と一緒で気楽だが、人間はそれだけを仲間にしては生活できない。 悪いこともする、悲しい人間とともに暮らす。 天下に道があるならば、変えようとは思わない。(仁斎説では、天下にはないように見えて道がある。徂徠は改革の意を尊重。) 小言 老荘の理想とする隠者のような生き方は、気楽そうであるがそうはい…