サイエンスライター。夫はノーベル賞受賞者の利根川進。 マサチューセッツ工科大学(MIT)卒業(脳および認知科学学部)。ハーバード大学大学院修士課程修了(心理学部脳科学専攻)。 元NHKディレクターであり、子ども番組、教育番組、NHK特集などを担当、コンピュータ・グラフィックスの研究開発にも携わる。現在ボストン在住。
人類は、どこに向かっているのか。AIの発達で、人間の仕事が減り、何もしなくても生きていける社会になると言う人もいれば、多くの失業者が現れて社会が混乱すると言う人もいます。また、政治の面では、これから世界は一つになっていくという見方もありますし、逆に閉鎖的な国が増えていくとの見方もあります。人類の未来は、どうなるのでしょうか。
戦争、貧困、差別、環境破壊。世界は、今も様々な課題を抱えています。そして、これらの課題にどう向き合っていけば良いのか、人類は常に頭を悩ませています。全世界的には、これらの課題は未解決です。でも、一部の国や地域では、これらの課題を解決しています。だから、世界的に未解決のこれらの課題は、すでに解決している国や地域に学ぶことで、地球上から徐々に消し去ることができるはずです。
世界は、これからどうなるのか。未来を確実に言い当てることはできないので、この問いに答えられる人は皆無でしょう。それなら、未来がどうなるかを考えても、どうせわからないのだから、想像するだけ無駄だとなります。しかし、未来を完全に言い当てられないにしても、今起こっていること、過去の事実から、なんとなく人類が進んでいく方向性は予想できそうです。最近の気候変動の激しさを見ると、自然災害が今よりも多くなりそうだということを多くの人が予感しているのではないでしょうか。それなら、自然災害への備えが、これからの人類には重要となり、これまで以上に防災や避難に力を入れる必要があると考える人が増え、そして、自然災害に…
今回はNHK出版新書の「人類の未来」の中で、アメリカ合衆国の発明家、実業家、未来学者、思想家であるレイ・カーツワイルがお薦めとして挙げた2冊を紹介します。 説明不要かもしれませんが、レイ・カーツワイルはAI研究の世界的権威であり、そしてその先にある技術的特異点(technological singularity、シンギュラリティ)についての発言で世界中から関心を集めている人です。また自らスティービー・ワンダーとともに立ち上げた会社でシンセサイザーを開発したりと一筋縄ではいかない、間違いなく現在における天才の一人です。 そんなレイ・カーツワイルが紹介したのは意外にも心をテーマにした本と、リアリズ…