光と私語 (いぬのせなか座叢書, 3) 作者:吉田恭大 いぬのせなか座 Amazon 基本的に、文学と呼ばれるものの最大の魅力は自由である。 私がそう感じるのは、文学が閉じた行為だからだろう。聞きかじった話だが、かつて文学は声に出して読み上げるものだったという。それは本というものが貴重であったから、多くの人に伝える必要があったという意味かもしれないし、或いは音読することによって、読書という行為に身体性をもたらしたかったからかもしれない(論語の素読のように)。実態は分からないが、きっとどちらの意味もあったことだろう。 だが何にせよ文学の形態は変化し、今では電車やカフェのひと時で、さっと本を取り出…