姿なきあとまで後世に名を残した吉野太夫、前代未聞の遊女と伝わる。容姿、性格のどれ一つとっても文句のつけようがなく、情の深さと言ったなら海よりも深し?「都をば花なき里になしにけり吉野は死出の山にうつして」と灰屋紹益が詠んでいるのはその太夫のこと。好色竹斎物語むかし都の外れに竹斎という名の貧しい町医者が居った。この男治療がヘタで患者が寄りつかず、食い詰めた藪医師(やぶくすし)と世間から言われている。その治療といったら、井戸に落ちた人を助けるのに蛸の吸出しを井戸のフタに塗り人を吸い出すという荒療治(奇策?)を行い、それは見事失敗に終る。また治療の一つに “おこり”(マラリア?)がでてくる。その症状は…