作・宮部みゆき、画・杉田比呂美の新聞小説。 北海道新聞・東京新聞・中日新聞・西日本新聞で2005年3月1日から同年12月31日まで連載され、河北新報でも同年4月1日から1ヶ月遅れで連載された。 「誰か」(ISBN:4408534498)の続編であり、途中でそれに関連した話も出てくる。 2006年8月書籍化。「このミステリーがすごい! 2007年版」国内編6位ランクイン。宮部みゆきはこの作品で2007年の吉川英治文学賞を受賞。
名もなき毒
自分が不幸だと感じる時、自分以外の人は皆幸せそうに見える。 どうしていつも自分だけがこんな目に合うのだろう?と。だからクリスマスやお正月に自殺者が増えるのだという。 人類皆平等ではない。生まれながらにして裕福で親の愛情をたくさんもらって育つ人もいれば、貧乏で虐待されて育つ人もいる。これはもう運としか言いようがない。 誰でも良かった。と言って人を傷つけたり、殺したりする人がいる。こういう人は誰かに、何かに対して怒っている。どうして自分だけこんなに不幸なんだろう?お金に困るのだろう?人と上手に付き合えないのだろう?環境に恵まれないのだろう?どうしてどうして・・・そしてその矛先は幸せそうな自分以外の…
宮部みゆきの『名もなき毒』を読んだ。2006年に幻冬舎より刊行され、2007年に第41回吉川英治文学賞、第4回本屋大賞第10位を受賞した長編推理小説だ。2003年に刊行された『誰か Somebody』の続編にあたり、この続編「ペテロの葬列」が2010年から地方紙に連載中である。小泉孝太郎主演で2013年7月8日よりTBS系列でドラマが放送されにあたり、折角だから読んでみようかなと思った。とくに内容など下調べもせずに図書館に予約をした。題名からして殺人事件が起き、刑事役の小泉が事件を解決するのかと勝手に思い込んでいた。全然違っており、しかも過去の思い出シーンが時々登場するのでなんだろうと思い調べ…
所属している文芸サークルの企画横流しです。今まで生きてきた中で影響を受けたり、特に好きだったり、あるいは何かよくわからないけど印象に残っている100作。触れた順番で挙げたつもりだけど、正確ではないかもしれません。わたしという人間のことが少しでも伝わると嬉しいです。 *時間があるときに一作品ずつコメントを書いて更新するかもしれません。 「きっと十年後、この毎日を惜しまない」 米澤穂信『氷菓』
去年1年分の「ブログでまとめる」機能が復活した! 2022年の読書メーター読んだ本の数:279読んだページ数:54498ナイス数:644腕時計のこだわり (SB新書)の感想大変面白かった。メモ/持たなければならない必需品を持つことには何の理由も必要ありませんが、必要でないものを持つのには理由があります/ポンデザムルー絶対いらない/腕時計に参入する最も大きな壁は、実はアフターサービスの責任/蕎麦屋の腕を見極めるのには、「もり」か「かけ」を注文するのが一番いいのと同じ理屈です。シンプルなモデルがダメならば、その先に期待するだけ無駄なのです/他人の腕時計と並べても「あいつの時計もいい。しかし俺はこの…
夜ご飯を見てビックリした。 最初にスープを飲んだ。鍋の底にあるような小さいじゃがいもが入った何味かも分からない冷たいしょっぱい汁だった。 え、冷製スープかな?と思ったが、翌日以降退院までに1度も冷たくない(ぬるいではない)スープ及び味噌汁が出ることは無かった。 小鉢はよく分からない味付けのよく分からない具材の組み合わた何かとくたびれた葉っぱみたいなものだったが、これはどこの病院でも同じだ。 主菜のチキン…?が本当に固すぎてえ、コンビニのスモークチキン1日台所に放置してそのまま出しましたか、みたいな気持ちになった。 そして炊飯器の残りみたいなカピカピの冷たい固い米。量だけは一丁前に多い。 急に入…
BS-TBS平日17時台のドラマ再放送『浪花少年探偵団』(2012年7〜9月)、おもしろいので見返してます。TVerでも。 tver.jp 主演は前年に『デカワンコ』でコメディエンヌとしての才能を見せた多部未華子。少年探偵団員はまえだまえだの前田航基・旺志郎兄弟に濱田龍臣、高橋晃(塚地武雅版『裸の大将放浪記』で山下清少年時代役)。同級生の女の子は学級委員長が八木優希、コメディ担当が二宮星の前年度朝ドラ『おひさま』『カーネーション』のヒロイン少女時代役コンビに、東宝シンデレラ入賞でデビューした浜辺美波がマドンナ役と興味深いメンバーがそろってます。 放送されたのはTBS月曜20時のパナソニックスポ…
なによりも怖ろしいのは、幽霊でも怪獣でもない 生きている人間だ。 ーーこの言葉を見事カタチにしてみせた、超絶ホラー・シリーズだ。 表向きは、探偵小説の体裁を整えている。 逆玉の輿に乗った無欲で無邪気な男・杉村三郎が 社会と人間が抱える"底知れぬ闇"を、幾度も覗き込む運命に巻き込まれ やがて、一人の探偵として生活する年月を『誰か』『名もなき毒』『ペテロの葬送』 『希望荘』『昨日がなければ明日もない』の全5巻。 実に20年余りもの時を費やし、書き続けてきた長大な作品群である。 しかし、その内容は、謎解きや真犯人探しをゴールに据えた ありきたりな探偵・推理小説とは、大きく異なる。 本シリーズにおいて…
【閲覧注意】胸糞悪いおすすめの小説集51選(傑作) この記事では胸糞悪いおすすめの小説を51選紹介していきます ⚠管理人の主観ではなく様々な方の意見を参考にさせて頂き作成しております。 この記事の内容↓ 無料の作品 恋愛系の作品 転生(なろう系) 短編(短い作品) 最新作(Amazon) 大人の方へオススメの作品 Amazonの提供するAudibleが期間限定で2ヶ月間無料体験を実施しています。本に興味にある方は無料なのでとりあえず試してみるのが良いかなと思います » Audibleの無料体験はこちら 時間の都合上すべての作品に対して「あらすじ」と「レビュー」をつけることができませんでした(次…
『8月10日必着』って表書きしてあるのに・・・。 結局11日の昼過ぎだったよ、届いたの。 まぁ、いいけどさ。 いいけどさ・・・いいけどさ・・・。 はい。 年末恒例『このミステリーがすごい!』、その30年余りの歴史を、個人的に読んだことがある作品に限ってですが振り返ると言うシリーズ記事。 驚くほど順調に更新できており、初回の1989年から13回くらい(アバウト!)お送りしております。そして本日は2007年度のランキングを振り返っていきます。 てなことで、まずは毎回恒例。 その年に何があったのかを見ていきましょうかね。 2007年は平成19年。と言われても、やはりピンとこない。ウィキペディアで調べ…
ちょっとひと昔前のラインナップになってしまうのだけど、僕はふつうの日本のベストセラー作家の小説もけっこう読んでいる。 ……ふだん本好きな人と本の話をするときにはあんまりこれらの小説の話題になることはないのだけど、なんかそれはちょっともったいないなと思った。いま振り返ってみると、けっこうな個人的文化的蓄積だと思うから、こういった本の話もしていきたいですね。 話のきっかけとして、そういった小説のタイトルを思い出せる限り並べていきたい。みなさん、かぶっているものがあればぜひそれを話題にしましょう。とくに印象に残っている作品、好きだったなあという作品の頭には◎がついています。 宮部みゆき ◎『模倣犯』…
あいかわらずの"巻き込まれ屋"杉村三郎が、今回も八面六臂?の大活躍。 きっかけは、バスジャック。 たまたま、バスジャック犯と同じバスに乗り合わせたことだ。 だがこの犯人(六十代半ば・男性)が、わざわざ人質をとって警察に要求したのは 身代金でも服役者の解放でもなく、「今から言う三人をここまで連れてこい」。 間もなく事件はあっけなく解決するのだが もちろんそれは、巨大な悪へと続く入り口に過ぎなかった。 バスジャックが指名した三人を追い求めるうち 杉田は「ネズミ講」という、被害者が同時に加害者になりうる伏魔殿のような 組織犯罪の底なし沼に、ずっぽりと嵌ってゆくのだった・・。 読者の興味を巧みに誘導し…
名もなき毒 (文春文庫) 作者:みゆき, 宮部 文藝春秋 Amazon 杉村三郎シリーズ2巻目。ここからは初読。 宮部みゆきの超巧みな書きっぷりがすばらしい。こういう文章が書けたらいいなぁ。 しかし内容はかなり重い、つらいものだった。いろんな事件が重なるけど、どれもこれもつらい。 この世には名もなき毒が満ちている。侵されない人はほとんどいない。重症か軽症かの違いだけだ。 なんか次作を読むのが辛くなってきた。
4月の読書メーター読んだ本の数:17読んだページ数:3031ナイス数:54いつも機嫌がいい人の小さな習慣 仕事も人間関係もうまくいく88のヒント (毎日新聞出版)の感想メモ/朝起きたらベッドを整える/「使わないもの」は3秒以内に捨てる/意識してゆっくり丁寧に動く/誰も見ていないところでもいいとことをする/自分を褒める/正しいことを言う時ほど控えめにする/ま、いいか/生活の優先事項を三つ以内に絞る(実は、ほとんどのことはやらなくてもいい)/テレビやスマホをオフにする時間をつくる/15分余裕を持って行動する/休日に何もしない時間をつくる読了日:04月23日 著者:有川 真由美線維筋痛症がよくわかる…
「名もなき毒」(宮部みゆき)を読んでいる。600ページほどの文庫で、そこそこに分厚い。杉村三郎が主人公で出てくる作品の、第二弾。一作目の「誰か」もかなり面白かったので期待していたが、思った通り面白かった。推理小説やミステリー(この2つの違いは厳密にはわからない。)と呼ばれるものは、事件の不可思議さが物語の中心になっていることが多いと思う。けれど、宮部作品は事件の前に人間の生き様があって、その人生のスパイスとして事件がある感じがする。そこが、宮部みゆき作品の凄さかなと思う。話の内容も、どんな人にもある弱い部分がキーポイントになっていて、本当に好きである。結末が楽しみだ。 4月1日に辞令があり、営…