国鉄時代の向之原駅舎を撮っていたが、残念なことにフィルムをパトローネからあまり引っ張り出さずに巻き込んでしまったからか左半分は感光していた。開業は賀来と同じく大正4(1915)年10月30日であるが、現存の駅舎は国有化された後の大正12年に建てられたとのことであった。 向之原はこの地域を境に、久大本線は東は河岸平野、西は河岸段丘を行き、平野部と峡谷部のつなぎ目に当る川をはさんで、北の豊前街道と南の肥後街道とをつなぐ交通の要衝であった、と聞く。 車窓の下に見えた峡谷の大分川は向之原を過ぎると大分平野の穏やかな流れとなる。大分川右岸から向之原へ進入する急行列車を見る。車がやっと通れる道幅の狭い橋は…