「別れよう」 彼女にそう言われた大学1年の春。 目の前にあった道が、突如歪んで見えたのを、今でも思い出す。 大学に入学して間もない頃だった。 皆浮かれ気分。勿論私も浮かれ気分。 そんな中、突如電話で言われた一言だった。 学内に笑顔という花が咲き乱れる中、私の涙という雨が降り、 より一層花を綺麗に咲かせてみせた。 辛かった。苦しかった。 それほど、本気で、「恋」というものをしていた。 皆が励ましてくれた。 徐々に、立ち上がり、前を向けるようになった。 前を見てみると、今までとは少し違う道があった。 景色も、匂いも、長さも、全部一緒。 でも、何かが大きく変わっていた。 何かが足りない予感がしていた…