「淡交」という言葉は、荘子の「君子之交淡若水」という言葉に由来する。裏千家茶道の月刊誌にその名が付けられている。歳を重ねるほどに意味の分かってくる種類の言葉だと思う。 つまり、失敗したな、という経験をして、学習を重ねてきたからこそ、腑に落ちる言葉と言えよう。他者との交わりは深くなり過ぎないほうが良い。そう分かっていても難しいものだ。ついつい仲良くなりすぎてしまう。しかし、仲良くならないと面白味もない。その加減が難しいのだ。「淡い」というのは、どの程度か。 このくらいか? 常連同士のお付き合いというのは、これに近い。何となく毎夜同じバーに集まる常連客同士。互いに素性は知らないが、顔見知りとなり話…