小説。作者は夏目漱石。1905年ごろの作品で、漱石が初めて書いた作品でもある。
よく切れる文体と飼われる側の猫の視点で書くという斬新なプロットが受けてヒットした。パロディとして「我輩も猫である」や「吾輩は鼠である」なども出ている。今でもパロディーは出続けているようだ。かなり一般的に浸透しているようで、タイトルだけでも知っている人は多い。
初出:明治38年1月〜39年8月「ホトトギス」
「吾輩は猫である。名前はまだ無い。」という有名な書き出しではじまるこの作品は、漱石が高浜虚子にすすめられて、俳誌「ホトトギス」に、十回にわたって連載されたもの。最初は第一章だけ独立して写生文として書いたが、評判がよかったので、後をつづけた。
全体的に見た場合、この作品には一貫した筋は無い。登場人物が、茶化し半分に、文学や芸術を語り、雑学をひけらかし、社会批判をする。つまり、知的雑談が中心になっているのだ。それを猫の目でとらえるとき、社会批評、文明批評へと進む。作者の人間観、文明観がはっきり出たユニークな作品である。
英語学習のための対訳本を生成するにあたって、日本語の小説を英語に翻訳して、その英文を学ぶというのはどうだろうか。実際に作ってみて使用感を確かめてみよう。