●歌は、 「石走る滝もとどろに鳴く蝉の声をし聞けば都し思ほゆ(三六一七歌)」 「山川の清き川瀬に遊べども奈良の都は忘れかねつも(三六一八歌)」 「礒の間ゆたぎつ山川絶えずあらばまたも相見む秋かたまけて(三六一九歌)」 「恋繁み慰めかねてひぐらしの鳴く島蔭に廬りするかも(三六二〇歌)」 「我が命を長門の島の小松原幾代を経てか神さびわたる(三六二一歌)」 「月読の光を清み夕なぎに水手の声呼び浦み漕ぐかも(三六二二歌)」 「山の端に月傾けば漁りする海人の燈火沖になづさふ(三六二三歌)」 「我れのみや夜船は漕ぐと思へれば沖辺の方に楫の音すなり(三六二四歌)」、である。 広島県呉市倉橋町宮浦 桂浜 <萬…