哲学思想の歴史的な推移・変遷などを明らかにするための学問。
古代ギリシア以来、人が自然の驚異や人の生病老死や喜怒哀楽に出会い、生の不条理に疑問を感じるところ、至る所にあるとされて、歴史を重ねてきた研究のこと。
前に書いた↓これの続き。 cut-elimination.hatenablog.com ↑ではSauer先生という人の論文と植村玄輝先生によるまとめ↓を取り上げた(Sauer論文のリンクは植村先生の記事内にあり)。 uemurag.hatenablog.jp 植村先生はその後もいろいろコメントを書いておられる。 uemurag.hatenablog.jp uemurag.hatenablog.jp uemurag.hatenablog.jp 植村先生はSauer論文に対する反論の用意もあったようだが、どうも最初の記事がバズったわりにあまり理解されていなかったようで、その後の記事もSauer論文…
一年半くらい前に植村玄輝先生が紹介して話題になっていた論文を今さら読んだぞ! https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/0020174X.2022.2124542 哲学史の研究は哲学の研究に不要と主張するHanno Sauer, "The End of History"という論文。といっても私は哲学の論文、しかも英語の論文を読むのは苦手なのであまりわかっていないかも。植村先生のブログに書いてある要約を参考にした。 uemurag.hatenablog.jp 哲学史、もっというと偉人の古典を研究することは哲学研究において重要とされてきたが、そうでも…
★FPで投資もするフリーランスのコダイと申します。メインのブログは https://skysetlab.hatenablog.com/ こちらはまったり哲学と食の豊かさについて徒然日記★ 事業準備は忙しく、大変な日々ですが私が出会う年上の経営者たちは素晴らしい人ほど哲学を学んでいます。お金を稼ぐ上で必要な倫理観は、今からでも学びたいビジネススキルです。さらに資本主義がいいかどうかは置いといて、この世界のルールを知らないと経営はできません。 今回はそんな哲学を私も少し勉強したので、まとめたいと思います。 <script async src="https://pagead2.googlesyndi…
〈はじめに〉 〈本の紹介〉 〈本の選び方〉 〈おすすめの出版社リスト〉 〈参考文献〉 〈はじめに〉 この記事では、哲学に興味を持った方が最初に読むのにおすすめの本の紹介をします。下記の哲学史の本たちは、ある程度の専門家が書いている本の中で、堅苦しすぎずに読めるものをピックアップしてみたものです。気負わずに、気楽にトライしてみてください。哲学の本は、確かに小難しいことがつらつらと書いてあるものが多いですが、慣れてくると意味分からんなりにも、「こういうこと言ってるのかな…?」ぐらいの推測は立てられるようになると思います(今の自分でも、正直まだそんな段階ですが…)。ふと思ったその関心が、ゆくゆくは研…
社会や家庭で人と関わることは避けられません そして、人を理解したり、評価したりする立場になったり反対に、理解されたり、評価されたりする場面にも遭遇することでしょう。 そんな人生に置いて自分がどれだけ他人を理解・評価でき、他人はどれだけ自分を理解・評価できるのかということは知っておいて損はないのではないでしょうか? 自己と他人との理解領域 この図はそれぞれ赤色が自分の理解できる範囲青色が他人が理解できる範囲紫色がお互いが理解し合える範囲です この図から理解して頂きたいことは他人と完全に分かり合えることはできないということです 近代哲学の世界では、デカルトやカントなどによって人間は主観から逃れられ…
最近買った本たち。 田中美知太郎、藤沢令夫『プラトン全集 全15巻』(岩波書店) 中野幸次『プラトン』(清水書院) 中畑正志『はじめてのプラトン』(講談社現代新書) 岩田靖夫『増補 ソクラテス』(ちくま学芸文庫) 納富信留『哲学の誕生』(ちくま学芸文庫) ジュリアナ・アナス著/瀬口昌久訳『1冊でわかる 古代哲学』(岩波書店) ジュリアナ・アナス著/大草輝政訳『1冊でわかる プラトン』(岩波書店) などなど。 目玉は何を隠そう、岩波書店の『プラトン全集 全15巻』である。 「2023年は哲学を勉強する!」と心に決めて年始からプラトンをポツポツ読み進めているのだが、岩波文庫や講談社学術文庫など文庫…
読んだ本: 引用元:版元ドットコム つづきを読み進めた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー メモ ヘーゲル「人間の言うことなどどうでもよろしい」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 本書はある意味衝撃的で、個人的には哲学史のパラダイム転換である。 著者は、哲学の理性的な体系などなく、あくまで「民族意識の差異」であると主張する。 そのため、哲学史は個々の学説の単なる比較ではあってはならないとされる。 著者いわく、それは剥製化された哲学思想の展示会にすぎな…
池田晶子『考える人 : 口伝西洋哲学史』中公文庫 (1998年) を読む。 この本の存在に最近まで気づけなかった。というのも、中公文庫は在庫数が少ないことがままあり、この本は2021年に再び刷られた。それを偶々店頭で発見した次第である。 池田氏は度々、「人類は進歩しない」と嘆いていたが、その理由が本書に明確に示されている。 例えば、「Aがある、Aがない」、この違いを私たちは説明できる。 それは「ない」という事と「ある」という事を先天的に知っているからである。 この「先天的」がポイントで、ヘーゲルはそれを「絶対精神」と呼んだ。 怖いという感情を人は教えられるまでもなく、「気付く」ことによって「分…
2年生の時に作ったレポートなのですが、2年ぐらい放ってしまいました。結構頑張って作った記憶があるので、読んでいただけると泣いて喜びます。 1.序論 2.基本的概念の確認 3.自由意志について 4.可能世界の検討と最善世界の選択 5.結論 〈参考文献〉 1.序論 本稿は、『モナドロジー』を主なテキストとしながら、ライプニッツへの理解を深めることを最終的な目標として作成されたレポートである。ライプニッツの主張によると、世界は神によって予定調和されており、未来は決定されているという。筆者の疑問は、その決定論の世界において、自由意志を持つものは存在するのか、ということである。そのため本論では、前提とな…
読書ノートの続きです。岩内章太郎さんの本の骨子を勉強するためにまとめていきます。 kyoyamayuko.hatenablog.com 第三章 現象学の原理ーーー普遍認識の条件 135ー195 前回のblogでは、「多様ではあるが、相対的ではない世界」という俊逸な問いを立てたところで終わりました。そのな世界をつくるための方法が「現象学」(133)だと示します。 著者は、「新しい実在論と構築主義の対立を読み解くための手がかりは認識論にある」(135)とし、現代実在論は「それがまさに認識論から離れてしまったがゆえに、深刻な信念対立に帰着」(136)すると指摘する。そして、この「認識論の謎を解明する…
遺書振り返りの続きが一向に終わらないので気分転換。4月から奈良大学に通うにあたり、初めてひとり暮らしをすることになった。ワンルームの新居がカオスと化すことを防ぐためには、部屋の片隅に積み上がる本の中から連れていくべきものを厳選する必要がある。 横に積むよりほかにどうしようもなくなった本たち そこで、新居の蔵書リストも兼ねて連れていく本たちをリストアップしていこうと思う。 歴史・文学に関する本 課題図書 短歌に関する本 小説 大学の勉強に役立ちそうな本 参考書系 1.歴史・文学に関する本 純粋な興味と大学での勉強のふたつの観点からこの分野の本は欠かせない。とはいえ専門的な本は持っていないので、そ…
www.cnn.co.jp ⇧ amazing... 自主的に人柱(ひとばしら)の役を買って出ていたのだとしたら、彼を突き動かしたものが何なのか知りたいですな。 いや、利他のための自己犠牲と言えるので行動は尊いですから文句は無いですけど、単純に行動する意思決定に至った理由は知りたい。 『科学の発展に貢献できるかもしれない以上の理由なんて要りますか?』みたいな男前の回答だったら、もう、天晴れと言うしかないのだけど。 で、日本では、 bunshun.jp 《私は2022年8月、感染者について、ワクチン接種者と未接種者における重症化率と致死率のデータを開示すべきだという行政文書開示請求書を厚労省に提…
伊藤邦武『物語 哲学の歴史』(中公新書)を読む。新書という小冊子で哲学史を紹介するという難しい仕事を試している。結果的にそれは成功している。 古代・中世の哲学から、近代の哲学=意識の哲学はデカルトから経験論とカントが語られ、20世紀哲学=言語の哲学として、論理学、分析哲学、論理実証主義が比較的詳しく語られる。著者伊藤邦武はプラグマティズムの専門家なのだ。だが、最後の第4章は生命の哲学と題して、ジェイムズとベルグソンに次いで、ハイデッガー、サルトル、メルロー=ポンティとドゥルーズが取り上げられる。 言語の哲学あたりは難解で、読んでいてちょっとめげそうになったが、ハイデッガー~サルトル~メルロー=…
成田悠輔先生の「集団自決」発言がまた蒸し返されて再炎上している。アンチ成田としては嬉しい。↓アンチ成田記事は下から辿ってください。 cut-elimination.hatenablog.com 成田先生ももっとハッキリとした釈明コメントを出せばよいと思うのだが、プライドが許さないのか、飄々としたキャラで獲得した信者を失いたくないのか。とにかく批判に対して説明を尽くさないのは学者として良い態度ではない。またいろいろな発言や本の記述から、成田先生はSNSでの立ち振舞いや炎上のコントロールを学問的な真理探究よりも気にしているフシが見受けられ、そこのところに学者としての弱点があると思う。 話はかわって…
朱喜哲『人類の会話のための哲学』はご好評頂き、発売後1ヶ月経たずに2刷の増刷となりました。決して少なくない初版部数の博士論文を基にした書籍としては、異例のスピードです。本書が、それだけ読者の関心が高く、評判を呼んでいる書籍である証しです。2刷を記念し、本書の「はじめに」を公開いたします。引き続きの応援、何卒よろしくお願いいたします。 『人類の会話のための哲学』入荷店一覧 https://yohakushapub.hatenablog.com/entry/2024/02/15/005720 朱喜哲(ちゅ ひちょる)イベント等予定 https://yohakushapub.hatenablog.c…
2024年3月の平凡社ライブラリーは次の2点です。 ★962:クラウス・リーゼンフーバー『中世哲学の射程 ラテン教父からフィチーノまで』(村井則夫編訳、平凡社、2024/03/05) 『中世哲学の源流』(創文社、1995)、『中世における理性と霊性』(知泉書館、2008)に収録された論考を中心として、単行本未収録の論考1篇を加えた本。 序にかえて 第1部 中世思想の構造 第1章 ラテン教父の思考様式と系譜 第2章 ラテン中世における教父神学の遺産 第3章 被造物としての自然ーー教父時代および中世における創造論 第4章 中世における自己認識の展開ーー近代思想いそうの歴史的源泉をめぐって 第2部 …
togetter.com 石川史郎氏の量子言語 抜粋 - Togetter https://togetter.com/li/1225781 zionad2018.blogspot.com https://zionad2018.blogspot.com/2018/05/blog-post.html timekagura blogger 42:プリンキピアと地動説 - コペンハーゲン解釈; 科学哲学; 理系の西洋哲学史 世界記述法から始めよ(=初めに、世界記述法ありき) 47:旗竿問題; 科学哲学: 科学的説明とDNモデル - コペンハーゲン解釈; 科学哲学; 理系の西洋哲学史 https://p…
哲学史入門I: 古代ギリシアからルネサンスまで (1) (NHK出版新書 718, 718) 作者:千葉 雅也,納富 信留,山内 志朗,伊藤 博明 NHK出版 Amazon
土曜日、ホーム開幕戦。待ちに待った小瀬である*1。いつも通りのバックスタンド。正面のメインスタンドの向こう側に連なる南アルプス、空、ピッチの緑。スタンドを埋める、あんな人、こんな人、そんな人、人、ひと、ヒト。鳴らす手拍子、響くチャント、躍動する選手たち。国立競技場も最高だったけど、やっぱり小瀬が一番だ*2。gyazo.com甲府 vs 栃木 1-2 敗戦。このなんとも言えない気分も含めてサッカーが帰って来た。いつも通り負け試合ではスタンドから即撤退するお気軽なバクスタ住人なのだが、まああれだ、勝っても負けても引き分けても、いつだって次の試合が一番大事。来週末はアウェイ山形戦、昨シーズンのリベン…
はじめに 『神の亡霊 近代という物語』小坂井敏晶(東京大学出版会) やっと一周した、非常に面白かった!神の存在を唱える学生の悲痛な叫びから始まる、文理問わず徹底論考した名著。帯文に「考えるための道具」とある通り、真理の説明ではなく現状の整理に徹していて安心感があった。絶対読んだ方が良いぞ! pic.twitter.com/pM0nXVsBTn— ジミー@書いている (@jimmy_9609) 2024年3月9日 読みました。メチャクチャ面白かったです。 ……いやこんなコンクリートブロックみたいなデカ本捕まえて何を宣うのだと頭をはたかれそうだが、本当に面白かったんだ。詳細はいつか書くが、現状の所…
今回からシュタイナーの輪廻転生論に登場する、歴史上の登場人物についてまとめていく。セネカに言わせれば、こうした細かい知識についての探究は頭の体操にはなっても叡智に結びつくものではないらしいが、いかんせんセネカの倫理書簡集の訳が終わってからやることがないので、ブログのコンテンツを充実させるためにも、苦にならない程度に進めていく。なお、内容についてはシュタイナーの言っていることはほぼ無条件で正しいものと信じることにして、それを基に知識を整理したり考察を進めていくこととする。 今回の参考書籍はこちら シュタイナー「歴史を生きる」(商品リンク) ギルガメシュ神話 古代メソポタミアの文学作品。詳細はWi…
講義ノートの結論を出すには、哲学史的視点が不可欠です。これは若い研究者に委ねて、私は哲学以外の方々との出会いのエピソードも小説風に溯りたいと思います。 記憶に自信がなくなり確認も十分にはできないと思うからです。 哲学の目指すものは真理(普遍知)ですが、今回は人それぞれの正義についても、安藤先生の考えや中坊公平氏の正義観を想像して考えてみました。 前回の続きからです。 人はそれぞれ物語を書いて生きるしかないと思います。先生を理解したい思いに急ぐあまり、私の結論は違っていたようです。先生の「信」の立場はわからないわけです。先生はキリストの救いを受け入れていたのかといえばそれは分らないと言わねばなり…
⬛️薩摩半島の山奥の限界集落にある《 古民家哲学カフェ》で、江藤淳を読む。 江藤淳と山川方夫は、似た者同士的ではあったが、何処か微妙に違っていた。江藤淳と山川方夫の差異は、《挫折》から立ち直る生活力と生命力にあった。江藤淳も山川方夫もともに深い深刻な《挫折》をあじわっていたが、その《挫折》に対する対処の仕方に微妙な違いがあった。山川方夫には《挫折》に酔うところというか、甘えるようなところがあったが、江藤淳には、それがなかった。しかし、それは、必ずしも江藤淳が生活力があり、生命力が旺盛だったからではない。江藤淳も、高校時代から大学時代へかけて、《 肺病》という病を抱え 、たびたび休学や留年を余儀…
全9項目●代表作●「Newtype Library」 ●エッセイ「もらい泣き」 ●「劇場版 PSYCHO-PASS PROVIDENCE」 ●「冲方丁 公式読本」●「gigazine.net」 ●「作家の読書道」●「sf-fantasy.com」 ●「BANDAI CHANNEL」 「AKIRA(大友克洋)」より 全8項目 ●代表作 TVアニメ&映画脚本「蒼穹のファフナー」シリーズ、 「PSYCHO-PASS サイコパス」〃(「2」「3」、映画「3 FIRST INSPCTOR」「PROVIDENCE」)、 TVアニメ脚本「ヒロイック・エイジ」、 小説&映画脚本「マルドゥック・スクランブル」、…