次の日の朝、「出発する」と言うと、「雨が降ってるから、もう1日泊っていけ」とヒロシさんに言われた。ヒロシさんは朝からビールを飲んでた。黒川さんも「あー、ん、おったらええ」と言う。分かってるのか、分かっていないのか、よく分からない。少し考えたあと、まあゆっくりするのもいいかもしれないと思い、甘えることにした。 目的に向かって歩き続ける毎日だったから、急にすることがなくなって、時間を持て余した。 午前中は、ヒロシさんとしゃべったり、ゴロゴロしたりしてたが、どうにも暇で落ち着かない。お遍路に出る前の、実家でゴロゴロしていた感覚がよみがえってくると、急に罪悪感に襲われ、焦燥に駆られた。こんなことをして…