―その296― ●歌は、「巨勢山のつらつら椿つらつらに見つつ偲はな巨勢の春野を」である。 万葉の森船岡山万葉歌碑(37)(坂門人足) ●歌碑は、東近江市糠塚町 万葉の森船岡山(37)である。 この歌については、直近では、ブログ拙稿「万葉歌碑を訪ねて(その223)」で紹介している。歌のみ掲載する。 ●歌をみていこう。 ◆巨勢山乃 列ゝ椿 都良ゝゝ尓 見乍思奈 許湍乃春野乎 (坂門人足 巻一 五四) ≪書き下し≫巨勢山(こせやま)のつらつら椿(つばき)つらつらに見つつ偲はな巨勢の春野を (訳)巨勢山のつらつら椿、この椿の木をつらつら見ながら偲ぼうではないか。椿花咲く巨勢の春野の、そのありさまを。(…