営林署の担当区は、たいがい本署から離れた村落に位置し、比較的小さな部落にあることが多い。部落の住民とは各種事業の雇用や、自家用薪炭の売払などで密接に結ばれているが、従前のように官尊民卑の気質はなくなったとしても、純朴な住民にはまだまだ担当区主任と自分との間に大きな距離を感じている者が少なくない。 また、勤務地が辺地であればあるほど、担当区主任は名士扱いされるようである。東北地方では、担当区主任が駐在警察官、東北電力散宿所員とともに「東北の三だんな」と言われているらしいが、道内では「分担区のだんなさん」とか「分担区さん」、「林務さん」などと言われてきており、今でも「営林署のだんなさん」と呼ばれる…