1897‐1933 私小説作家。 山口県の農家に生まれる。短躯色黒のために劣等感に悩まされた。 初恋の相手とは両親の反対で挫折。結ばれた別の女性とは婚前の不品行を疑い、妻子を捨てて愛人小川ちとせと出奔上京し、、その体験を「業苦」に書いた。 小説の本領は自分の事を書く“私小説”にあるとの当時の思潮を愚直に実践し、自己暴露的な私小説二十余篇を残し、昭和八年三十七歳で早逝。
〈当ブログはアフィリエイトを利用しています〉 仕事をしていると本が読めない現象について書かれた本が売れているとテレビで見た。 逆も然り、無職になってから本が読めるようになったよ。時間があるのはもちろんなんだけど、仕事の時脳が使う場所って読書の時も同じなんか…?だから読めなくなるん…?とちょっと考えこんだが、一円たりとも無駄にしたくない現在、kindleには大変お世話になっている。例を挙げると「嘉村磯多」の私小説は大変好みでぶっ通しで読んでも飽きない。マイルドな駄目さというか…方向性としては西村賢太と同じ方向向いてる気がするなァ。 さて今回のお題は、「普段のなんでもない食事がいっそう美味しくなる…
中村光夫編「私小説名作選」(上下巻、講談社文芸文庫)を読んだ。 せっかくなので感想を記したいが、「名作選」との言葉通りいずれも文壇の大家による名品ばかりなので、作品の客観的な価値とは無関係に、あくまでも今の自分がどう感じたかというに過ぎない(そもそも客観的な価値とは何か、というめんどくさい議論はしない)。はじめに全体的なことについていえば、収録作品の中には私小説なのかどうか疑問に思うものもあった。女性作家が一人もいないことも気になった。 <上巻> 田山花袋「少女病」 田山花袋といえば「蒲団」、「蒲団」といえば自然主義文学の代名詞という具合に学校では習ったものだが、この「少女病」という小説は最後…
2024年9月20日時点での既刊及び刊行予定の講談社文芸文庫全1,317点(日本文学1,245点/海外文学72点、ワイド版を除く)をあげた。文庫の整理番号順に従って表記(一部変更あり)した。編者、訳者は一部を除き割愛した。 阿川弘之『舷燈』 阿川弘之『青葉の翳り 阿川弘之自選短篇集』 阿川弘之『鮎の宿』 阿川弘之『桃の宿』 阿川弘之『論語知らずの論語読み』 阿川弘之『森の宿』 阿川弘之『亡き母や』 阿部昭『単純な生活』 阿部昭『大いなる日/司令の休暇』 阿部昭『無縁の生活/人生の一日』 阿部昭『千年/あの夏』 阿部昭『父たちの肖像』 阿部昭『未成年/桃 阿部昭短篇選』 青柳瑞穂『ささやかな日本…
2023年は本の蒐集という点では非常に飛躍した一年でした。いや、 飛躍というのをどういう理解としてのということはありますが。 ここ一年ちょっとで買うものの傾向が変わってきました。 というのも、初版・ 初刊本に対する憧憬が増した影響がありそうです。 これまでは安かろう、 読めればよかろうという考えでやってきていて、 とりあえず読めれば問題はないということで、全集文庫刊本などの状態やエディションを問わずに集めてきました。しかし、とある本を初版本で読んだのをきっかけにして、 初刊本で読んでみるとそれはそれで面白いものだなと思い込んでし まったのを皮切りとして、ヤフオクで色々と手を出し始め、 それに加…
日経夕刊に連載中のエッセイ「人生後半はじめまして」を拾い読みしています。著者はエッセイストの岸本葉子(1961年生)さん(写真・下)。シングル女性のさりげない視点で、日々の暮しに纏わる発見や気づきを丹念に綴っています。武蔵野市にお住まいで世代はほぼ同じ、生活圏が被るせいもあって親近感を覚える内容が少なくありません。12月6日のエッセイはこんな書き出しで始まります。「早くも12月。1年の振り返りの時期である。今年はミュージシャンの訃報が多かった。敬称略で挙げれば高橋幸宏、坂本龍一、谷村新司・・・。」続けて、「享年に自分との距離感を確かめ、晩年の写真に、彼らの上にも歳月が経過したことを認め、過去映…
この記事は「言語学な人々 Advent Calendar 2023」の17日目の記事です。 adventar.org 前置き 小学館『日本国語大辞典(第2版)』(以下、日国)の JapanKnowledge 版(以下、JK版日国)は、紙媒体にはない検索機能を備えています。*1 JapanKnowledge Lib 使い方ガイド JapanKnowledge 全体を対象とした「詳細(個別)検索」でも以下の検索を行うことができますが、 見出し検索 or 全文検索 AND, OR, NOT検索 完全一致、前方一致、後方一致、部分一致 この詳細検索の対象を『日国』に限定すると、検索範囲(見出し or …