今回は、COVID-19医療にも直接かかわってくる「誤嚥性肺炎」をテーマとして取り上げ、日本医師会雑誌2021年3月第149巻・第12号より抜粋してお送りいたします。 誤嚥性肺炎とは? 日本では人口の高齢化が加速し、高齢者肺炎が増加しています。高齢者肺炎による死亡の多くは誤嚥性肺炎であり、病態上、誤嚥のエピソードが明らかな顕性誤嚥と明らかでない不顕性誤嚥によるものに分かれますが、臨床上診断と対応に苦慮するのは不顕性誤嚥による誤嚥性肺炎です。 高齢者において、明らかな誤嚥の病歴がなく、「元気がない」、「意識がもうろうとしている」、「食欲がない」などの症状で発症し、胸部X線を撮って初めて誤嚥性肺炎…