逸木裕 「四重奏」前々から気になっていた逸木さんの去年発売された作品を買ってみました。 チェロ奏者であった女性が火災に巻き込まれて死亡した。主人公のチェロ奏者は彼女の演奏を聞いてスランプから脱することが出来たため、大きなショックを受ける。しかし彼女が火災現場で取った行動が不可解であり、その行動を取った原因は彼女が最後に所属していた音楽団体にあるのではと考え始める。その団体の長は「クラシック音楽は観客が勝手に解釈した錯覚で出来ている」という異端のポリシーを持っているが、努力を重ねても上に上がれない一部の奏者にとっては救いとなる教えとして知られていた。彼女が団体に入った理由を探るために、オーディシ…