フードコートが混んでいた。お昼どき、人、人、人。空席を探しても、どのテーブルにも荷物やトレーが置かれていて、みんな必死だ。 「先に席取っとくね」と言って、私はハンカチをそっと椅子の上に置いた。これが“ここは使ってますよ”の合図。日本のフードコート界では、なかなかの常識のはず。 ところが。 戻ってみると、ハンカチは器用に横へずらされ、そこには堂々と食事をしている人がいた。「あっ、すみません」と言いながらも、席を替える様子は一切ない。まるで「すみませんって言ったから、もういいですよね?」という自信に満ちている。 さらに驚いたのは、三人席の右側に座っていた女性。 「ここ、人いますよ!」のひと言もなし…