遅れていた貸出サービス 1965(昭和40)年10月、東京都日野市に小さな事務室と1台の移動図書館車、蔵書はわずか3,000冊、サービスは貸出だけという、ないないづくしの市立図書館が誕生しました。ところが、この図書館は利用者の急増と貸出サービスの目覚ましい実績によって、日本の図書館関係者を驚嘆させます。ふつうは良い意味に使われる《目覚ましい》という言葉も、古語では「意外で気にくわない」という意味で使われるばあいが多かったと国語辞典にあります。 ごく一部の人にとって、日野市とそれに追いつこうと努めた市立図書館群の活躍が《意外で気にくわない》ことだったらしく、1970(昭和45)年に出版された『市…