蓑部哲三 著 蓑部厳夫, 蓑部樹生 編(2011) 黄道光抄 : 歌集 | NDLサーチ | 国立国会図書館 好きな歌がたくさんある。30弱を引く。 大隅のかすむ陸(くが)よりふくらみてみなみの海はいたくあかるき(p11) 宮崎から鹿児島方面を見ているのだろうか。3句以降にひらがなが多く、南国の明るさのシンプルで原始的な力を感じる。 井戸端のぬれし三和土(たたき)にぶちまけし貝にまじれる鰈(かれひ)眼をあく(p13) 取ってきた貝を三和土に出す習いなのか、うっかり籠か何かを落としたのかわからない。「ぶちまけし」はなんとなく後者の感覚があるがどうだろうか。鰈が眼を開いたのを作者は目撃したのだと想…