39年前の1985年8月12日、羽田空港から大阪・伊丹空港に向かっていた日本航空123便ジャンボ機が群馬県の山中に墜落し、乗客乗員520人が犠牲になりました。この事故を取り上げた小説の一つに、山崎豊子さんの「沈まぬ太陽」があります。舞台は日本のフラッグキャリア「国民航空」。社員の待遇改善のために労働組合委員長としてストライキを指令し、その後、報復人事で中東やアフリカを10年間、たらい回しのように異動させられた主人公、恩地元(おんち・はじめ)を通して、巨大航空会社の倫理や空の安全を問うた長編です。「アフリカ篇」「御巣高山篇」「会長室篇」の三部構成のうち、「御巣高山篇」は日航機墜落事故をモチーフに…