1776年に出版されたアダム・スミスの著作で「諸国民の富の性質と原因の研究」の通称である。また、「諸国民の富」という名称でも知られている。原題は「An Inquiry into the Nature and Causes of the Wealth of Nations」。全2巻、5編で構成されている。重商主義批判と経済の自由放任主義の重要性を説いている。
今回はアダムスミスの「国富論」要約シリーズ第五弾となります。 ここからは国富論Ⅲの収録内容となっており、二回に分けて要約します。Ⅲは第五編を収録しており、第五編の主題は「主権者または国家の経費・収入および公債について」です。夜警国家と揶揄されるように、「市場の競争原理を最大限重んじ、政府は国防や要素技術投資としての教育サービスの提供に努めるべき」というアダムスミスの政治経済学の原理のエッセンスが詰まったパートです。 本書の内容は現代社会の実態とは大きく異なるため、即時応用性は低いですが、原理原則を学ぶ意味では示唆に富んだ内容だと思います。ヨーロッパ社会の歴史を学ぶに格好の材料とも言えます。 ※…
今回はアダムスミスの「国富論」要約シリーズ第四弾となります。 第四編のテーマは「ある特定階級の利害と偏見に基づいて行われてきた政策と理論の特質を解明し、その社会的影響について」であり、ここまでが国富論Ⅱになります。ヨーロッパ諸国の植民地に関する取扱いに関しても言及があり、経済学の本ではありますが世界史の本としても読むことの出来る非常に面白いパートです。 ※一編の要約は下記。 ■要約≪国富論 第一編≫ - 雑感 (hatenablog.com) ※二編の要約は下記。 ■要約≪国富論 第二編≫ - 雑感 (hatenablog.com) ※三編の要約は下記。 ■要約≪国富論 第三編≫ - 雑感 (…
今回はアダムスミスの「国富論」要約シリーズ第三弾となります。 第三編のテーマは「農業を阻害してまで都市の産業を奨励される政策がとられた背景」であり、ここから国富論Ⅱになります。「都市部と農村部がそれぞれどのような産業を営み、繁栄してきたか?」という観点で考察がなされています。歴史や倫理観に関する見解を交えたアダムスミスの考察が目立ち、知的好奇心が満たされる内容となっております。 ※一編の要約は下記。 ■要約≪国富論 第一編≫ - 雑感 (hatenablog.com) ※二編の要約は下記。 ■要約≪国富論 第二編≫ - 雑感 (hatenablog.com) ■国富論Ⅱ ■ジャンル:経済学・史…
今回は前回に引き続き、アダムスミスの「国富論」を要約していきます。 第二編のテーマは「資本の性質、蓄積、用途について」であり、ここまでで国富論Ⅰが終了となります。その名の通り、「資本の性質に着目し、どのように活用することで社会全体が物質的に豊かになるか?」ということに対するアダムスミスの考察が詰まっており、「国富論」というタイトルにふさわしい構成となっております。 ※一編の要約は下記です。 ■要約≪国富論 第一編≫ - 雑感 (hatenablog.com) ■国富論Ⅰ ■ジャンル:経済学・史学 ■読破難易度:中(経済学の概念を0から体系化した本なので、前知識がなくても読み進めれば原理や概念は…
今回はアダム・スミスの「国富論」を要約していきます。古典派経済学の大家と呼ばれるアダム・スミスの代表作で三部構成になっています。一部は一編と二編が収録されており、今回は一編を要約します。一編の主題は「労働生産力増進の原因と生産物が社会に分配される秩序について」であり、人類がどのように経済活動を営み社会を発展してきたかを考察したパートとなっております。 アダム・スミスは「神の見えざる手」などのように自由主義経済を重視したという見方が主流ですが、本当は政治経済学(政府の介入の基に市場原理を活用して社会の富を最大化するべき)という思想の立場を取っていた学者です。また、アダム・スミスが本書を著した時代…
分業と機械 〜エートスとは異なる、資本主義もうひとつの始まり アダム・スミスと分業 分業と大量生産 分業と機械と資本家階級 気になったら読んで欲しい本 【アダム・スミス『国富論』】 【ウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』】 分業と機械 〜エートスとは異なる、資本主義もうひとつの始まり エートスによって近代資本主義が立ち上げられたとするならば、一度成立した資本主義にはエートスは必要ないのでしょうか。私にはわかりません。私の記憶ではウェーバーはそんなこと書いてなかった気がします。というのもウェーバーの目的は近代資本主義の成立条件であって、成立後の資本主義の運動ではないからですね…
読書会があると聞いて。揃いで1850円也。 peatix.comブックオフに売り払った本を古書店で買い戻す人生だった。これを再読する日が来るとは思わないもんなぁ。 国富論 1 (岩波文庫 白105-1)作者:アダム・スミス発売日: 2000/05/16メディア: 文庫 国富論〈2〉 (岩波文庫)作者:アダム スミス発売日: 2000/10/16メディア: 文庫 国富論 (3) (岩波文庫)作者:アダム スミス発売日: 2001/03/16メディア: 文庫 国富論〈4〉 (岩波文庫)作者:アダム スミス発売日: 2001/10/16メディア: 文庫アダム・スミス(1776→2000-2001)『…
まず謝らなければならないことがあります。以前決めたように、1日に読むページ数を決めて進めようとしたところ、自分の英語能力を明らかに高く評価していたことが判明しました。全く決めたように進められません。ましてや1日分として見積もっていた1時間でなど到底無理でした。 ですのでここはひとまず設定したノルマを緩めようと思います。無理のし過ぎは良くありません。体調云々もそうですが、モチベーションを保てず、最悪の場合挫折してしまいます。 新しいノルマとして、1日1章を目安に進めていくことにしました。また、長い章は2日以上にしても良いことにします。こうすれば日課にしても負担が多くありません。 本題に移ります。…
それでは1冊目のアダム・スミス『国富論』から始めていきたいと思います。前回、とりあえずAmazonでkindle版を購入した(といっても無料でしたが)と書きました。早速読んでいきながらこのプロジェクトの方向性を確かめていこうかと思います。 まずkindle版ですが、ハードウェアとしてkindle本体を購入するか、アプリをダウンロードすることで読むことができます。私は最近では通常、本を読むときにはkindleで読んでいます。何と言っても持ち運びが容易です。ただ、今回に関してはkindleで読むことの弊害も見えてきました。以下にまとめます。 学習するときにおけるkindleの長所と短所 長所 容易…
その昔、1999年にプロジェクト杉田玄白をたちあげたときに手をつけたはじめた、アダム・スミス『国富論』、4章くらいまでやってその後ほとんど進んでいなかったが、この4日ほど気晴らしでがーっとやって、8章まで終わった。これで第一巻の半分くらいになる。10章と11章がやたらに長いんだよ。(その後9章も終わった) アダム・スミス『国の豊かさの性質とその原因についての検討』 89章まで (pdf, 1.1MB) アダム・スミス『国の豊かさの性質とその原因についての検討』 89章まで (epub, 0.2MB) お年玉にしてはショボいが、まあ新年に暇なら、読んで罰はあたらないと思うぜ。しかしアダム・スミス…
僕の心のヤバイやつ 【コミックス最新6巻発売中!】 | 桜井のりお |試し読み・無料マンガサイトはマンガクロス マクドナルド、どんなにレジが長蛇の列でもアプリから注文すると割り込んで作ってくれるのが気持ち良すぎる「無課金なのに優越感に浸れる」 VMwareの買収に向けて半導体メーカーのブロードコムが交渉中との報道 「もううんざり」国連勤務の露外交官、侵攻批判し辞職 藤巻健太 衆議院議員 on Twitter: "見ました。 のび太が動物の星に迷い込んでしまう話しですよね。 https://t.co/rKeRbBfV4o" ロシア外交官が辞職 ウクライナ侵攻を痛烈批判 [みんなのケータイ]我が家…
「Humankind希望の歴史」の下巻を読了しました!すごく話題になっていたので、手に取った本。上巻と比べると、また違った気づきがありました。 人間は善なのか?悪なのか?そんな壮大な問いから始まる本書ですが、最終的には自分自身の考え方次第であるということがわかります。 そして、上巻と下巻を読んだことで、また違った気づきがありました。上巻と下巻を比較しながら、印象に残った点を紹介したいと思います。 「Humankind希望の歴史」って、一体どんな本なの?そう思う方の参考になれば嬉しいです。 「Humankind希望の歴史」上巻と下巻の違いとは? 「Humankind希望の歴史」下巻を読んで印象に…
イーロン・マスクは起業家です。宇宙開発企業 SpaceX や電気自動車企業テスラの共同創業者で、ジェフ・ベゾス等と並ぶ世界有数の資産家です。 以前には PayPal の前身となるベンチャー起業を創業したことでも有名です。 彼は多数の本を読むことでも知られており、 Twitter などで度々本を紹介しています。 イーロン・マスクがおすすめする本の中でも日本語で読める書籍を紹介します。 経営者であると同時にエンジニアである彼は、宇宙や技術について言及することも多いです。幅広い本のチョイスには驚きます。 人工知能(AI) LIFE3.0──人工知能時代に人間であるということ - マックス・テグマーク…
買って後悔するより 買わないで後悔するほうが 何倍もダメージが大きいと気づく 私はプレミアソフトを調べるのが好きです なので、暇があると ずっとプレミアソフトの値段を調べています そして最高に楽しいです そんな時に、 「こんなに値段が上がってるの!!」と驚くことがあります。 数百円や1000円前後で買えたのに、 値段がいつの間にか上がっていて、ビックリする。 こんな衝撃です。 そして、そんな衝撃は、 昔のゲーム機であればあるほど大きいです。 つまり、 このブログの読者層である 30代、40代の方が最も遊んでいたゲーム機です。 ですので、私と同じように 衝撃を受けてもらえると思った訳です。 そし…
前回李の『AI世界秩序』について簡単なメモを作成した時に、たくさんの論点が頭をよぎっていったため、さてどこから書こうかという思いに至ったのだが、断片的であれ書こというわけで以下端書を残していく。 anti-optimization.hatenadiary.jp そうして考えていくうちに突発的に思い浮かんできた一冊の本があり、差し当たってこの本を始まりにあるとしておく。 マーク・フィッシャー『資本主義リアリズム』セバスチャン・ブロイ/河南瑠莉訳、堀之内出版、2018年(原書は2009年)。 この本は翻訳が出版された2018年2月にすぐに読んだが、その時から印象的であった。この本が十分に何かを説明…
アダム・スミス 経済学は企業や資本家を擁護するものではない! 引用:『国富論』アダム・スミス https://youtu.be/bS-fdzkQHZM www.youtube.com
はじめまして。しまうまうましです。突然ですが宣言させてください。 中華料理のイデアは炒飯である、と。要するに炒飯には中華のすべての要素が詰まっているということです。というのも、中華を中華たらしめる要素といえば 熱、油、グルタミン酸ナトリウムの3つです。これら3つを含んでいる炒飯は中華料理のすべてを含んでいるといえます。 ペペロンチーノを食べればイタリア料理屋の実力がわかるように、炒飯だけ食べれば中華料理店の実力を測ることが出来る。そのようにしまうまは考えています。 ということで 京都大学の最寄り交差点、百万遍で一番うまい炒飯を決めます。これによって、累計2000時間/年とも言われる京大生の百万…
西会津に創業1807(文化4)年の栄川(さかえがわ)酒造合資会社(→https://sakaegawa.com)があり,酒造十代目の石川暎作(1858-1886)がアダム・スミスの翻訳書『冨國論』を翻訳したことに因んで,大吟醸『冨國論』を製造・販売している。嵯峨正作との共訳はわが国最初の全訳として知られている。15年前のブログで触れたことがある(関連エントリー参照)。 同じ会津ながらいまひとつの榮川(えいせん)酒造株式会社(→http://www.eisen.jp/website/)がある(会津若松市に本社,磐梯町に工場)。こちらは1869(明治2)年創業で,現在は福島,新潟,栃木,茨城でスー…
18世紀のイギリスの経済学であるアダム・スミスと言えば、「見えざる手」が有名です。人々が個人の利益を追求しても、自然と調整され社会全体が幸福になるという理屈が、「見えざる手」です。この「見えざる手」がとても有名なので、アダム・スミスについては、それ以外のことを詳しく知らない人が多いのではないでしょうか。そして、アダム・スミスの著作についても、『国富論』は知っていても、『道徳感情論』は聞いたことがない人が多いのではないでしょうか。
English follows Japanese.【PDCA日記 Vol. 993「人間が判断する体制が問題」】 今回紹介する資料「ポストモーテム」は、「みずほ銀行システム障害 事後検証報告」をキャッチフレーズにしており、「人間が判断する体制が問題」部分の以下のフレーズが印象的でした。 「他のメガバンクCIO(最高情報責任者)経験者は『障害の規模を人が判断するという体制に、そもそもの問題があったのではないか』と指摘する。 みずほ銀行はシステム障害が発生した際に、複数部署のメンバーがオフィスの会議室に集まり情報共有した上で、対応を協議するとしていた。 それに対して他のメガバンクでは『何件以上の顧…
国富論アダムスミス〖松本隆著者〗 : 松本隆 https://lineblog.me/matumoto1972/archives/3046147.html
神奈川大学図書館が2022年4月5日にリニューアルオープンした。「神奈川大学 100 周年に向けた将来構想の一環として,1980 年に建設された神奈川大学図書館の全面改修」ということだ(神奈川大学報道資料→https://www.kanagawa-u.ac.jp/att/23307_66359_010.pdf)。 蔵書の量と質,電子リソース,学びの空間など大学によって特徴づけは異なっても,大学図書館(附属図書館とする大学も多い)は大学の顔であることはいまも変わらない。 関連エントリー 神奈川大学米田吉盛伝編集委員会編『教育は人を造るにあり 米田吉盛の生涯』→https://akamac.hat…