1776年に出版されたアダム・スミスの著作で「諸国民の富の性質と原因の研究」の通称である。また、「諸国民の富」という名称でも知られている。原題は「An Inquiry into the Nature and Causes of the Wealth of Nations」。全2巻、5編で構成されている。重商主義批判と経済の自由放任主義の重要性を説いている。
アダム・スミスの「国富論」って? 8月3日付けの朝日新聞朝刊の「明日へのLesson」に掲載されていたアダム・スミスの「国富論」の記事を読んで、アダム・スミスの考え方に共感しました。 *和歌山:三段壁洞窟 退職してから、今までと違うことをしたり、違う世界に触れたりして、世の中にとって経済がとても大事だと感じるようになりました。もっと経済を深く学んでおけばよかったのにと。 高校生の時、大学でどんなことを学びたいか考えた時に、一番最初に除外したのが経済学部でした。何故ならば自分が会社に入って事務をする未来は想像したくなかったし、経済なんてあまり役に立たないと思っていたからです。 *和歌山:千畳敷 …
アダムスミス、マルサス、ケインズ、フリードマン、ロールズ何を行った人なのかを、絵を見て暗記してみよう! [blog:g:10328749687207210578:banner]
分業と機械 〜エートスとは異なる、資本主義もうひとつの始まり アダム・スミスと分業 分業と大量生産 分業と機械と資本家階級 気になったら読んで欲しい本 【アダム・スミス『国富論』】 【ウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』】 分業と機械 〜エートスとは異なる、資本主義もうひとつの始まり エートスによって近代資本主義が立ち上げられたとするならば、一度成立した資本主義にはエートスは必要ないのでしょうか。私にはわかりません。私の記憶ではウェーバーはそんなこと書いてなかった気がします。というのもウェーバーの目的は近代資本主義の成立条件であって、成立後の資本主義の運動ではないからですね…
アダム・スミス共感の経済学ジェシー・ノーマン村井章子訳早川書房2022年2月20日 初版印刷原書:What he thought, and why it matters(2018) 先日の続きの覚書 megureca.hatenablog.com 順不同だけど、気になったことを覚書。 ・スミスがその思想に影響を受けた人。フランシス・ハチスン:北アイルランド生まれ。道徳哲学教授で、スミスは二年生の時に講義を受けている。デービッド・ヒューム:『人間本性論』、哲学者。 ・17世紀の哲学人間の本性に関する暗く希望のない見方。トマス・ホップス:人間の自然な状態は恒久的な「万人の万人に対する闘争状態」にな…
『国富論』の著者アダム・スミス(1723~1790)と、「20世紀最大の経済学者」と言われるジョン・メイナード・ケインズ(1883~1946)は、時代は異なりますが、生まれた日は2人とも6月5日です。 2人は経済学の歴史のなかで「2大巨頭」といえる存在(また2人とも英国人)。 このほかにマルクスも重要だという人もいますが、マルクス経済学は現代の経済学の主流にはつながっていません。やはり「2大巨頭」といっていいかと思います。 そしてその2大巨頭の誕生日が同じなのです。6月5日は「経済学の日」とすべきです。 すでにそういう日が制定されているかもしれないと思って、「経済学の日」で検索しましたが、そん…
今回はアダムスミスの「国富論」要約シリーズ第六弾となります。 長きに渡った国富論要約も今回で最終回となります。 第五編第二章(社会の一般収入あるいは公共収入の財源について)を取り扱います。租税や公債に関する理論を体系化したパートです。アダムスミスが理想とした「政治経済学」の完成系とも言えるエッセンスが詰まっております。 ※一編の要約は下記。 ■要約≪国富論 第一編≫ - 雑感 (hatenablog.com) ※二編の要約は下記。 ■要約≪国富論 第二編≫ - 雑感 (hatenablog.com) ※三編の要約は下記。 ■要約≪国富論 第三編≫ - 雑感 (hatenablog.com) ※…
今回はアダムスミスの「国富論」要約シリーズ第五弾となります。 ここからは国富論Ⅲの収録内容となっており、二回に分けて要約します。Ⅲは第五編を収録しており、第五編の主題は「主権者または国家の経費・収入および公債について」です。夜警国家と揶揄されるように、「市場の競争原理を最大限重んじ、政府は国防や要素技術投資としての教育サービスの提供に努めるべき」というアダムスミスの政治経済学の原理のエッセンスが詰まったパートです。 本書の内容は現代社会の実態とは大きく異なるため、即時応用性は低いですが、原理原則を学ぶ意味では示唆に富んだ内容だと思います。ヨーロッパ社会の歴史を学ぶに格好の材料とも言えます。 ※…
今回はアダムスミスの「国富論」要約シリーズ第四弾となります。 第四編のテーマは「ある特定階級の利害と偏見に基づいて行われてきた政策と理論の特質を解明し、その社会的影響について」であり、ここまでが国富論Ⅱになります。ヨーロッパ諸国の植民地に関する取扱いに関しても言及があり、経済学の本ではありますが世界史の本としても読むことの出来る非常に面白いパートです。 ※一編の要約は下記。 ■要約≪国富論 第一編≫ - 雑感 (hatenablog.com) ※二編の要約は下記。 ■要約≪国富論 第二編≫ - 雑感 (hatenablog.com) ※三編の要約は下記。 ■要約≪国富論 第三編≫ - 雑感 (…
今回はアダムスミスの「国富論」要約シリーズ第三弾となります。 第三編のテーマは「農業を阻害してまで都市の産業を奨励される政策がとられた背景」であり、ここから国富論Ⅱになります。「都市部と農村部がそれぞれどのような産業を営み、繁栄してきたか?」という観点で考察がなされています。歴史や倫理観に関する見解を交えたアダムスミスの考察が目立ち、知的好奇心が満たされる内容となっております。 ※一編の要約は下記。 ■要約≪国富論 第一編≫ - 雑感 (hatenablog.com) ※二編の要約は下記。 ■要約≪国富論 第二編≫ - 雑感 (hatenablog.com) ■国富論Ⅱ ■ジャンル:経済学・史…
今回は前回に引き続き、アダムスミスの「国富論」を要約していきます。 第二編のテーマは「資本の性質、蓄積、用途について」であり、ここまでで国富論Ⅰが終了となります。その名の通り、「資本の性質に着目し、どのように活用することで社会全体が物質的に豊かになるか?」ということに対するアダムスミスの考察が詰まっており、「国富論」というタイトルにふさわしい構成となっております。 ※一編の要約は下記です。 ■要約≪国富論 第一編≫ - 雑感 (hatenablog.com) ■国富論Ⅰ ■ジャンル:経済学・史学 ■読破難易度:中(経済学の概念を0から体系化した本なので、前知識がなくても読み進めれば原理や概念は…
Ⅰ.近代哲学思想 Ⅱ.政治・哲学思想 Ⅲ.経済思想 Ⅳ.美術(バロック様式・ロココ様式) Ⅴ.文学 Ⅵ.音楽 Ⅶ.科学 はい、どうもです。 ここでは、定期テストや大学受験で出題されるであろう内容をまとめております。 今回は「17世紀~18世紀ヨーロッパ文化」編です。それでは見ていきましょう。 Ⅰ.近代哲学思想 (1)フランス合理論(大陸合理論) ①概要:認識の根拠を「理性」に置き、演繹法によって正しい認識に至る ②演繹法:前提を立てて、そこから論理的に結論を導き出す方法 ➂デカルト(仏)・近代哲学の父・『方法序説』:「われ思う、ゆえにわれあり」・『哲学原理』 ④スピノザ(蘭)・ユダヤ商人の家に…
ラグビーW杯 日本 イングランド戦に敗れ1勝1敗に #荒川静香(NHKインタビュー) https://d1021.hatenadiary.jp/entry/2023/09/18/200030#岸田内閣(毎日新聞世論調査「早く辞めてほしい」51%) https://d1021.hatenadiary.jp/entry/2023/09/18/200210#福島原発処理水(在日中国大使館「分析・比較検査への参加に招かれていない」「真に自信を持っているのであれば、真剣かつ責任ある態度で対応すべきだ」) 中国 8月の日本産水産物輸入金額 去年同月比67%余減少 https://d1021.hatenad…
繰り返しになるが、社会契約論の図式は、神の立法とはことなり人々の合意へと国家の存在理由をおおいに「民主化」しているように見えるが、「あらかじめ先取りされた、予定された結果としての目的が原因となる」という目的論的図式は共有している。モンテスキューもルソーも、近代社会契約論が、自然状態という原因から現在の国家、法秩序という結果が生じるそのメカニズムをこのような目的論的図式にはめ込んだことを、想定された原因の中にあらかじめ結果を読み込む回顧的錯覚として批判し、それに換えて、歴史の中にこうした目的論的図式に収まらない、人間の力も思惑も超えた客観的な因果連関の力を見出す。しかしそれだけでは、そのような客…
今日は英国の偉大な経済学者リカード没後200周年です。リカードの業績は貨幣理論から公債の中立命題まで非常に多岐にわたりますが、最も有名なのは比較優位の原理に基づく自由貿易論でしょう*1。 貿易パターンを決めるのは絶対的な生産性の高さの違い(絶対優位)ではなく、相対的に得意なものの違い(比較優位)です。例えば、先進国は途上国よりもあらゆる財・サービスを効率的に生産できるかもしれませんが、だからといって、全ての財・サービスを自国で生産するのは賢明ではありません。例えば、農作物の生産を増やそうとすれば、その分、土地や労働者が必要になり、他の部門に使うことができる土地や労働者は少なくなります。農業生産…
若きウェルテルの悩み ゲーテ 髙橋義孝 訳 新潮文庫 昭和26年1月28日 発行 平成22年5月20日 117刷改版 平成23年4月20日 118刷 言わずと知れた、ゲーテの代表作『若きウェルテルの悩み』。これもカフカの『変身』と同じように、若いころに読んだ。けど、ちっとも面白くなかった。今回、頭木さんの本『希望名人ゲーテと絶望名人カフカ』に触発されて、読み直してみた。 megureca.hatenablog.com 裏の本の紹介には、 ”ゲーテ自身の絶望的な恋の体験を作品化した書簡体小説で、ウェルテルの名が、恋する純情多感な青年の代名詞となっている古典的名作である。婚約者のいる美貌の女性ロッ…
和の国富論 作者:浩介, 藻谷 新潮社 Amazon 『デフレの正体』や『里山資本主義』で知られる藻谷さんが、危機に陥っている分野で着実に成果を残しつつある人と対談した『しなやかな日本列島の作り方』の続編とも言える本で、実はその後この本は『完本 しなやかな日本列島のつくりかた: 藻谷浩介対話集 (新潮文庫)』というカタチで正編に飲み込まれてしまうんですけどね… この本では、林業、漁業、学級崩壊、高齢者問題といった、それなりに深刻なテーマを扱っていて、以前『甦る教室』を紹介した、学級崩壊対策で知られる菊池先生との対談も含まれていて、ちょっとこの話が全体を象徴しているような気がしているのですが、学…
フランス語由来の言葉・成句。
国富論 アダム・スミス www.youtube.com そうだな ではまず一つ話をしよう 我々は石ころと宝石のどちらかを大事に扱うかとなったときに 宝石のほうを大事に扱う 人々が宝石が欲しいと思う量よりも はるかに宝石は少なく希少だからだ 逆に石ころは、あまりにもそこら中に有り余ってる割にぜんぜん人に必要とされないから大事に扱われず粗末に扱われる そもそも根本的な話として人間社会や、あるいはその中にある業界というものは 人を、つまり「労働力」を欲している 労働力を欲しているということは その会社や業界が「人」を欲しているということだ 労働者をたくさん欲している会社や業界では人は希少で足りない存…
ではまずひとつ話をしよう。 我々は、石ころと宝石のどちらを大事に扱うかとなった時に、宝石の方を大事に扱う。それはなぜだ? 人々が宝石を欲しいと思う量よりも、はるかに宝石は少なく希少だからだ。逆に石ころは、あまりにもそこらじゅうにあり余っている割に、ぜんぜん人に必要とされないから、粗末に扱われる。わかるな? では次の話をしよう。 そもそも根本的な話として、人間社会や、あるいはその中にある業界というものは、労働力を欲している。労働力を欲しているということは、その社会や業界が人を欲しているということだ。 労働力をたくさん欲している社会や業界では、人は希少で足りない存在だから、みんなに欲しがられる。 …
バークとヘイスティング RETHINKING BURKE AND INDIA Daniel I. O'Neill History of Political Thought Vol. 30, No. 3 (Autumn 2009), pp. 492-523 (32 pages) 米国がミクロネシア三カ国と締結する自由連合協定。その前は信託統治。その前は委任統治という国際法の制度があったが、その信託の精神はベルリン会議に、そしてバークに辿ることができる。すなわち人道的植民だ。 バークの詳細を知らなかったので上記の論文をざっと読んだ。 バークは巷で言われているような反帝国主義者ではなく帝国を支持して…
米国Elihu Root国務長官 Sir Robert Holland 太平洋島嶼国の独立、自決権の歴史を遡る時、信託統治ー委任統治が国際法の新たな構成を成した話は重要だ。Pitman B. Potterの国際連盟下の委任統治制度の起源 Origin of teh system of Mandates under teh League of Nations 1922は外せない資料と思っている。 以前読んだ五十嵐元道氏がホブソンの帝国主義論を分析していたのを思い出して再読した。 五十嵐元道著、「国際信託統治の歴史的起源 帝国から国際組織へ」 Potter論文を名前だけ取り上げられているが、読んで…
岩手県一関市厳美町にある厳美渓は,春は桜,夏はせせらぎの音,秋には紅葉,冬には水墨画のような景色で知られている。 その厳美渓には,渓流をはさんだ店からロープに下がる籠で降りてくる空飛ぶ団子こと「かっこうだんご」(郭公屋の「郭公だんご)がある。あるテレビ番組で今なお健在と知った。5代目が店を引き継ぎ,変わらぬ味とともに現在も団子が空を飛び,外国人を含む観光客に大変な人気だという。 数10年前の旅の思い出は渓谷美の天然記念物と空飛ぶ団子である。谷より団子,の言葉はここ厳美渓かっこうだんごに由来する。 -厳美渓[いわての旅(岩手県観光ポータルサイト)]→https://iwatetabi.jp/sp…
8/2: 修正、図の追加を行いました。 問題へのリンク https://atcoder.jp/contests/abc312/tasks/abc312_c 問題概要 りんご市場に N 人の売り手と M 人の買い手がいる。 i 番目の売り手は、A[i]円以上でならりんごを売ってもよいと考えている。i 番目の買い手は、B[i]円以下でならりんごを買ってもよいと考えている。 この時、次の条件を満たすような最小の整数Xを求めよ。 条件: りんごを X 円で売ってもよいと考える売り手の人数が、りんごを X 円で買ってもよいと考える買い手の人数以上である。 問題要約 (配列Aに含まれるX以上の数の個数) …
無差別の法則とは、市場経済において、すべての商品やサービスの価格は、その商品やサービスの供給量と需要量によって決定されるという法則です。 この法則は、18世紀のフランスの経済学者、アダム・スミスが『国富論』の中で提唱しました。スミスは、市場経済においては、すべての個人が自分の利益を最大化しようと行動すると、結果的にすべての人にとって最適な状態が実現されると主張しました。 無差別の法則は、市場経済の基本原理であり、市場経済の効率性を支えています。しかし、この法則は、すべての商品やサービスに適用されるわけではありません。例えば、独占企業が存在する場合には、独占企業は価格を独占価格に設定することがで…