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国民国家

(社会)
こくみんこっか

nation stateの翻訳語

1648年ウェストファリア条約によって確立された国際秩序の中核をなす存在。
国民領土主権の三つを持つ。



ヨーロッパにおいて封建国家から絶対主義への過渡で支配が属人的なものから領域的なものに変化していき、領域国家が成立し、単一の王権の支配する領域内での、単一市場と統一されたメディア空間が形成されていき、政治的にはフランス革命ナポレオン戦争を契機に市民の政治参加が拡大していく。

このような趨勢を背景に、ひとつの国家にひとつの民族としての同質性を与えようという主に支配的な民族集団、政治集団のイニシアティブによる動きが発生する。これは民主主義の進展に伴い、市民の政治的同質性の観念が、文化的民族的同質性を要求した側面もある。

これはギリシア独立のような分離主義的な動きともなり、ドイツやイタリアの統一運動にも結実した。だが、政治権力の主導によって、国内の多数派の民族集団をその国家の国民性の公式の代表とみなし、そこに異質な民族集団を暴力を伴って同化させ、また差別的な扱いをほどこすという国民国家の政策は、多くの先住民族もふくめた少数派の民族集団にたえがたい惨禍をもたらした。

またアフリカなどの植民地から独立した国家では、分割統治政策による恣意的な国境線の確定の影響もあり、そもそも相対的にさえ支配的な民族集団が存在しない場合も多く、そのNation-Buildingの過程は困難を極めている。

現在ではこうした少数派への同化、差別政策への批判に伴い、国民という概念の再考が迫られている。

参考 ベネディクト・アンダーソン「想像の共同体」ISBN:487188516X

(歴史的事実関係について修正、補足をお願いします)

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