独立行政法人 日本芸術文化振興会の施設で、能・狂言を上演するもの。
東京都渋谷区千駄ヶ谷四丁目18番1号 鉄筋コンクリート(一部鉄骨)造、地上3階・地下1階 客席数は、正面245席、脇正面190席、中正面156席の計591席
先週14 日火曜日は、国立能楽堂にて青翔会。私は舞囃子「田村」を打たせていただきました。 ご来場いただきました皆様、ありがとうございました。 今回の青翔会は10期の能楽研修生の修了公演でもありました。 私達の修了公演は9年前…懐かしい。 能楽研修生は、芸術文化振興会か行っている邦楽や洋楽の研修の中でも最長の6年間。 今回修了したのは囃子方2名ですが、コロナ禍で思うように稽古も舞台もできなかった三年間のみならず、彼女たちを取り巻く環境が自分たちの頃と比べても厳しいものだった事を見聞きしている身としては、無事に舞台を務めた2人に心からおめでとうと言いたいです。 これからの道も険しいだろうけれど、頑…
国立能楽堂が主催している鑑賞教室としての能を見に行きました。 観賞教室とあって、始まる前には丁寧な説明付きで、内容も理解してから見たので飽きることなく楽しめました。座席の前にはタブレットが付いていて、セリフを映し出してくれているので、聞き取れないセリフも理解できます。チケットも3000円とお安いです。 学生さんの団体、後にはいびきをかいて寝ているおじさん、外国の人が休憩時間には立ち上がって動き回り写真を撮ったり、着物姿のご夫婦も ある意味堅苦しくなくて良かったです。 で、感想はというと 会場内の舞台にまずは圧倒されました。室内の舞台でも非日常な世界に入ったような気持ちになったので、これが暗闇の…
火曜日は国立能楽堂の青翔会にて宝生流の能「春日龍神」を打たせていただきました。 週末からかなり体調不良(コロナではない)だったので、色々心配でしたが終わってよかった。若手の研鑽会なので、私もまだ若い…いやもう鏡を見ると違うか。 楽屋口には紫陽花と山吹が綺麗に咲いていて癒やされました。 花に見とれて立ち止まる。 無事に演能が行えるようになったことにも、感謝です。去年一昨年の状況を考えると特に。 その後、国立能楽堂の養成課の方から8月の末に行われる東西合同研究発表会についても連絡があったのでこちらも今年こそはちゃんと行われるはず! 来月2日には宝生能楽堂で能「養老」を打ちます。宝生の謡、もっと稽古…
觀ノ会「道成寺」国立能楽堂にて鑑賞した記録。 tomoeda-kai.com 『道成寺』を観るのは今回が初めて。お能は好きだけれど、まだまだ初心者の域なので、有名な曲でも観ていないものはまだまだたくさんある。むしろ観たほうが少ないので、そちらを数えたほうが早いぐらい。 『道成寺』もいつか、いつかと思いながら日々が過ぎていたが、觀ノ会のこのチラシを見たときに、「今かな」という気がした。作品との出会いはいつもインスピレーションだが、お能の場合は特にそれが強い。これまで然るべきタイミングに然るべき曲に会ってきたので、今回も勘を信じることにした。 観能仲間も2人、行くことになった。 「精神力、体力の強…
国立能楽堂で「狂言の会」を観た記録。 www.ntj.jac.go.jp 以前はお能第一で観ていたけれど、最近は狂言だけの公演も好き。最近「笑い」がしんどい。人を貶めず、損なわず、笑うことってできないんだろうかと考えたときに、やっぱり狂言にかなうものはない、という結論に至った。落語でさえもしんどいときあるからな。 雁礫(がんつぶて) あらすじ>大名が弓で雁を狙うところを、通りがかりの男が石つぶてで仕留めてしまう。大名は自分の獲物だと言い張るが……。 見栄と虚勢を追及し、やわらかくあばく。勝負に持ち込まずとも最初から誰がやったかは明らかで、むちゃくちゃを吹っかけるほうが悪いのに、みんなで付き合っ…
所用で上京した機会に久しぶりに能楽鑑賞に国立能楽堂を訪れました。 千駄ヶ谷にある国立能楽堂。今日は正面の席を確保していました。長野県でも野外の薪能などが行われますが、やはりここは別格な空間で、凛とした空気がながれているのを感じます。(長野県でも野外の薪能などが行われます。それらも実に味わい深い素晴らしい空間です。比較するものではありません) 今年は茶人千利休生誕500年ということで、国立能楽堂ではこの四月を「月間特集千利休生誕500年」と題し茶道や茶道具にちなんだ演目を上演しています。それでは今日の「俊寛」はどんなつながりかな?と思いましたが、なんでも利休がこの故事にちなんで「俊寛」と名付けた…
今日は横浜能楽堂「バリアフリー能」にて先生のお手伝い。 早く着きすぎたので能楽堂裏の公園で小休止。花の香りが漂って、桜も蕾がくっきりとピンク色に染まっています。来週くらいが開花かな。 井伊直弼像 月に2回は小鼓講座で来ている横浜ですが、今日は土曜日らしく能楽堂の周辺ものんびりした空気が漂っています。隣の音楽堂からも音楽が聞こえてきたり。 昨日は久しぶりに国立能楽堂の公演を見学させていただきました。 雨の千駄ヶ谷駅 普段あまり観ない曲なのと、ちょっと勉強したくて…。能楽研修生の頃は定例・企画公演はほぼ勉強のために観ていたので当たり前に思っていたのですが、改めて正面から観ると気がつくことがたくさん…
明日は国立能楽堂にて青翔会。今日はその申し合わせでした。 家を出る前に、かなり暖かいから着物はポリの単にするか、ウールにするか一瞬迷い(申合せでは紋付きは着ないことが多いです)…楽屋は案外冷えるかもとウールの着物と道具を持って向かいました。 ……暑かった。 能楽堂についた時点でかるく汗をかくレベル。襦袢を着ないで着物だけの方が涼しいか?と一度着てみて…だめだ、肌に張り付く。 再び着物を脱いで一番下にいつも来ているキャミソール(汗とり用)をやめて半襦袢にして…うん、この方が風が入る。 もうそんな季節かと、楽屋で涼しげに着物をお召しの年配の先生方を横目で見つつ申合せを終えました。 明日の青翔会も良…
昨日は国立能楽堂にて稽古会でした。 研究生としてはすっかり高齢メンバーに入っている私です。他流も研修生もみんな若い。 研修生の人たちは毎日の稽古の成果かよく稽古しているのがわかる舞台での様子。 自分の頃を思い出して、ああ緊張してたよな、不安だったよね、毎日青翔会や稽古会に向けて先生に稽古をつけてもらいそして怒られていたよね…と思い出すことしきり。 最近忘れがちな初心を思い出しました。 コロナウイルスの流行で私が研修生だったころとはまた違う困難に直面しているのが今の世代。乗り越えて、成長していってほしいと思いながら舞台を拝見しました。 私も頑張ろう。 冬の夕暮れ
本日国立能楽堂青翔会にて舞囃子「紅葉狩」を打たせていただきました。お囃子方のお相手は十期の藤田流笛方研修生の平野さん、大鼓は安福光雄先生でした。研修生時代に大鼓のお稽古を受けていましたが、青翔会でお相手させていただくのは、久しぶり。先生は、今でも楽屋ではよく声をかけてくださいます。 研修生として稽古を受けていた頃は昨日のようですが、あれからいろいろなことが起こりました。去年からのコロナ禍も、いつか「あんなこともあったね」と振り返ることができるようになるといいな。 見所もようやく通常に戻っていたようで、お能の時間にはかなり人が大勢入っていたようです。 囃子方の後輩の修了生や研修生たちが頑張って舞…
癸卯年二月廿六日。気温摂氏7.5/13.2度。曇。県立図書館で借り出した岩波講座『能・狂言』Ⅲ「能の作者と作品」読み始める。第2章「能本の概念」(横道萬里雄)だけでも本当に勉強になるもの。この著者(横道先生)には新作能〈鷹姫〉あり寿夫、万作、静夫、則壽(東次郎)らによる初演など想像しただけで鳥肌が立つ。 村上湛(劇評)国立能楽堂定例公演「采女 美奈保之伝」悲恋に焦点絞る - 日本経済新聞 この観世ご宗家〈采女〉はアタシも拝見(3月8日)。この湛君の評(今日の日経)を読むと本当にこれを読んでから見たらもつと面白いものだつただらう。歌舞伎で月公演なら中日までにでも好評が載ればそれからでも間に合ふが…
癸卯年二月十七日。気温摂氏2.7/21.9度。快晴。日較差で20度近ひのは本当に勘弁してほしい。朝は寒さで厚着で昼はシャツ1枚で過ごせて夜は花冷えに体力消耗甚し。新宿は相変はらず睦郎『善の遍歴』の如き世相。 柏木。常圓寺掃墓。最近いつもこちら柏木の裏通りの花屋は墓前に花でもお弔ひでもなければ春の彼岸など随分と明るく花を盛つてくれてこれはこれで「整ふ」。最近このサウナに入るだけで「整ふ」とかいふ。何が整ふのだか肝心なところは曖昧。五月下旬の陽気なのだとか西新宿を歩くだけで汗だく。それにしても超高層ビル街は殺風景。それでも地下にまだ汚い世界があるから。角筈で散髪。 代々木に歩き共産党本部前の吉そば…
<番組紹介> ロバート キャンベルさんが大絶賛する大分・宇佐神宮。 鎮守の森から、国宝の本殿まで味わい尽くす! ▽人類学者・中沢新一さんが日本最古の神社で語る、 神社誕生の秘密! ▽ド迫力!世界遺産・熊野那智大社の火祭りに密着 ▽伊勢神宮・出雲大社・春日大社それぞれの建築様式と 写真家の巨匠が福井で捉えた神社建築の美 ▽平安の伝統を受け継ぐ、神職の装束 ▽島根の貴重な「巫女(みこ)舞」 ▽木村多江も念願の奈良・天河神社へ! <初回放送日:令和5(2023)年1月6日(金)> <番組紹介> 美の壺1.思いを託す 大分県「宇佐神宮」(ロバート・キャンベルさん) 奈良県桜井市「大神神社」(人類学者・…
来月は以下の舞台で鼓を打たせていただきます。 ・3月14日(火)13時〜 「第30回青翔会」舞囃子(金春流):田村 @国立能楽堂 他に能「石橋」狂言「皸」など。 ・3月21日(火・祝)「味麻之会」番外舞囃子:梅枝@国立能楽堂 観世新九郎師社中会 ・3月26日(日)宝生流「春の女流能」能:須磨源氏@宝生能楽堂 他に能「田村」「熊野」など 春の能楽堂にも是非ご来場ください。
アンケートこうやって取ってまとめるの、2.5年ぶりらしくてまずそれにビビってしまった。お久しぶりですしおりんです。 「ブリ●アはクソ」というマイナス劇場情報は流れてくるのに最高劇場情報は流れて来ない!!!ってノリで好きな劇場のアンケートを取りました。まあ、普通に考えて見づらかったストレスは明文化されるけど、快適だった記憶って演目の記憶になるから劇場自体の記憶としては残りづらいんだよねそれはそう。それはそうなんだけど、でも劇場のここは良い!の情報を蓄積したら情報解禁時の楽しみも増えるかなって思ったりしてます。幸せの総量が増えるって良いことです。 アンケートが拡散されていく中で「どこかで見たことあ…
■2023年1月の徒然なること www.youtube.com 先日、仕事で館山に行った。同じ千葉県に住んでいながら、初めての訪問であった。上司からは南国だから泳げると言われていたが、この冬一番の寒波、よもやそんなはずもなく、とはいえ用務先の方にも海の彼方に沈む夕日と遥かに臨む富士を勧めていただき、帰り際に拝見に行った。 美しかった。 自分より遥かに大きな富士、夕日、海を前にし、寄せては返す波の音を聞いていると、魂が洗われる気がした。 あくまでも、気がしただけである。 ●能楽どうでしょう2.01「2023年1月15日(日)金春会定期能 @国立能楽堂」のこと View this post on …
1月20日、国立能楽堂へ。「隠狸」太郎冠者が石田さん、主が萬斎さん、後見が高野さん。萬斎さんは、鈍色&胡桃色&象牙色の段熨斗目、金茶地に繊細な松林模様の長裃。この長裃は初見の気がします。パリッとした質感だったし、新たに誂えられたのでしょうか。質感エフェクトのためか、袴捌きの「シュバッ」が、格別に鮮やか。そして、何度も「シュバッ」をくださり、惚れ惚れしておりました。 そして、主さまの謡と舞に酔いしれました。 この演目は、シテもアドも、どっちのお役も、見どころだらけです!! 「東北 (とうぼく)」女&和泉式部が浅井文義さん、旅僧が御厨誠吾さん、従僧が大日方寛さん&野口能弘さん、門前の者が太一郎くん…
◆2月4日(土)13:30~ 岳見町ぎゃらりぃ <カフヱー狂言> 狂言「隠狸」シテ 鹿島俊裕、アド 今枝郁雄 ◆2月25日(土)14:00~ 東海市しあわせ村茶室嚶鳴庵 <ザシキ狂言> 袴狂言「伯母ケ酒」シテ 鹿島俊裕、アド 佐藤融 ◆2月26日(日)14:00~ 国立能楽堂 <立合狂言会> 狂言「岡太夫」シテ 中村修一 小舞「猿聟」茂山忠三郎 小舞「鵜の鳥」善竹大二郎 小舞「貝尽」茂山千五郎 狂言「瓜盗人」シテ 河野佑紀 狂言「柿山伏」シテ 山本則孝 小舞「七つ子」鹿島俊裕 小舞「海道下り」野村信朗 狂言「米市」シテ 大藏基誠
今週は稽古会とお社中のお稽古と、申合せとで稽古場や能楽堂の楽屋を出入りした一週間でした。 国立能楽堂に行ったら、3月の青翔会のチラシが置いてありました。3月14日(火)13時は研修10期生の修了公演です。 第30回 青翔会(能楽研修発表会) – 能楽マガジン Noh +(ノープラス) 私も舞囃子「田村」を打たせていただきます。研修発表会とはいえ、プロの舞台を1,000円代で(学生料金はなんと600円から)観られてしまうという会。しかも今回は能「石橋 大獅子」! みなさま、是非お越しください。 ところで先日は母校で夕方の稽古があったので、早めについて護国寺近くのファミリーレストランへ。 時間が来…
土日は先生のお手伝いと自分の地方稽古。 といっても単発で行っている掛川の小鼓稽古です。 ついこの間まで、将棋の「王将戦」で大賑わいだったという掛川城周辺。 工事中の掛川城 将棋会館は国立能楽堂の近くにあるので、研修生時代に千駄ヶ谷駅付近でお昼を食べると、相席で向かいに座った若い方が詰将棋を熱心に解いていることがありました。 こちらは熱心に謡を(豆本か百番集で)覚えていた…はず。 残念ながら、掛川のほうは日帰りですが来週の21日(日)は今度は東静岡はグランシップに伺います。 https://www.granship.or.jp/visitors/event/detail.php?id=2891 …
年始の静岡での仕事いらいオンライン・対面両方でお稽古に行ったりしたりはあるものの、能楽堂ではとんと鼓を打っていない今日この頃。 国立能楽堂に行った帰り、新宿御苑を通り抜けると外国人観光客とみられる方々がたくさん。水仙や早咲きの桜と一緒に写真を撮っていました。 冬枯れの景色と花のコントラスト 入国規制が緩和されたり、円安の影響があったりと都心に行くと海外からの観光客の増加を実感します。 さて、そんなに増えたならば能楽の観客も増える…というわけにはいかないようで。これはコロナ前からの問題でもあります。 目下のところ、自分に関係する問題でいえば来月の「能楽プリズム」の申込みが振るわないのもあり。 イ…
新年初投稿。明日は初仕事です。 このブログの開始時期を調べてみたら2015年の3月。 国立能楽堂の研修修了後に新居で新しい暮らしを始め、仕事も気合をいれての宣伝のためのブログ開設でした。 あれから約8年。世の中も自分もたくさんの変化があっての迎えた新年。 あの頃見えなかった景色が見えてきた一方で、あの頃の気持ちを今一度思い出して、リスタートの一年にしたいと思います。 ……とりあえず、家族に何度も同じ話しないとか、楽屋や稽古等で自分が学生時代や20代の頃の(下の世代からしたら太古の昔の)話はしないとか…と、思うはしから繰り返してしまいそうで怖い。 繰り返しに思える日々も、今日と同じ日はこない、明…
12月23日、 国立能楽堂へ。「◎千利休生誕五百年」と銘打たれた会で、お茶に因んだ演目づくし。まず、大蔵流の「御茶の水」。「御茶の水」と「水汲」はタイトル違いの同じ曲と、何かで目にした事があったのですが、ぜんぜん違ってました。過去に観た万作家の「水汲」では、いちゃの心中は明らかにされませんが、今回観た「御茶の水」では、新発意への好意があからさまで。万作家の「水汲」は、演じる人によって、周到に隠されていた思いが、仄かに出てしまったり、しまわなかったり、と、ギリギリの所を攻めていて、ストイックに感じられます。残りのよそのお家の同曲はどんななのか、観てみたくなりました。2曲目も大蔵流で、「禰宜山伏」…
先日、今年最後のお能の稽古に行ってきました。いまは来年7月に予定されている発表会に向けて、舞囃子の「高砂」を練習しています。途中に神舞(かみまい)というまさに神速の舞が入っている舞囃子で、ずっと憧れだったものですから稽古が楽しいです。それと来年の11月の発表会でかかる能「景清」の地謡にとお誘いをいただいたので、その謡も練習しはじめました。私はこうした長いスパンで少しずつ稽古していくのが好きです。いずれにしても素人の趣味に過ぎませんので、ほとんど自己満足の世界から抜け出せてはいませんが、お能の世界は明らかに普段の暮らしとは異なる「非日常」ですから、ともすれば仕事の忙しさにかまけて単調になりがちな…