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国際宇宙ステーション

(サイエンス)
こくさいうちゅうすてーしょん

米国、ロシア、日本、カナダ及び欧州宇宙機関 (ESA) 加盟11ヶ国が協力して建設を進めている宇宙ステーション(International Space Station:ISS)。

規模は約108.5m×72.8mとほぼサッカー場ほどの大きさとなり、質量は約420トンになる。地上約400km上空に建設され、地球1周約90分で自由落下しながら回っているため、その中は地上の100万分の1ほどの重力となっている。また各種の宇宙放射線が降り注ぎ、周囲には大気がほとんど無く、こうした特別な環境を利用して、宇宙での実験・研究や地球・天体の観測などを行うことを目的としている。
1999年から軌道上での組立が開始され、2011年秋の完成を予定している。当初の運用期間は2016年までの予定であったが、アメリカにより2020年までの延長が検討されている。運用終了までに要する費用は1540億USドルと見積もられており、人類史上最も高額なプロジェクトである。

ISS計画の経緯

1961年に旧ソ連(ロシア)が人類初の宇宙進出を皮切りに、1969年には米国が人類初の月面着陸という偉業を成し遂げるなど、各国が独自の研究を重ねながら、激しい宇宙競争を繰り広げていた。
時代が進み、米国の航空宇宙局(NASA)では、1982年から、国際宇宙ステーション(ISS)についての計画が話し合われていた。1984年、当時の大統領であるレーガンが「我々の次の大きな目標は、米国のパイオニア精神を構築し、新しいフロンティアを開拓することだ。 私は宇宙空間に恒久的な有人宇宙基地を10年以内に建設することを指示する。」と演説し、国際宇宙ステーション建設を表明した。また、同年6月に開催されたロンドンサミットにおいて、サミット関係各国に対し、国際宇宙ステーション計画への参加を呼びかけ、計画が正式にスタートされた。これにより、各国間の宇宙開発は競争から協力へと歩みを変えていった。

各国の役割

国際宇宙ステーションは、国際パートナー各国がそれぞれに開発した要素(パーツ)で成り立っている。基本的には各要素を担当の国が責任を持って運用し、全体のとりまとめを米国が行っている。各要素の打上げには、米国のスペースシャトルやロシアのロケットが使用されている。

米国

米国航空宇宙局(NASA)から各国と調整を取りつつ、総合的なまとめ役を担当している。提供する要素は、実験モジュール、ロボットアームを設置するトラスという部分、さらに太陽電池パドルを含む電力供給系などである。

ロシア

ロシア連邦宇宙局(FSA)から基本機能モジュールのほか、2つの実験モジュール、居住スペースとなる「ズヴェズダ」(ロシアのサービスモジュール)、搭乗員の緊急帰還機(ソユーズ)などを担当している。

欧州諸国

欧州宇宙機関(ESA)から11か国(イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スイス、スペイン、オランダ、ベルギー、デンマーク、ノルウェー、スウェーデン)が参加し、主に実験モジュールを提供している。

日本

宇宙航空研究開発機構(JAXA)から日本実験棟「きぼう」を提供している。

カナダ

カナダ宇宙庁からISSの組み立てや、装置の交換に使用するロボットアームを提供している。カナダはこれまでにも、スペースシャトルで使われるロボットアーム(SRMS)を製造した実績を持っている。

肉眼で見える宇宙建造物

人工衛星が肉眼で見えることはよく知られているが、国際宇宙ステーションは巨大なためあらかじめどこに現れるか知っていれば確実に観測できる。JAXAに出現時間と位置の予報が出ている。

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