風土という言葉があります 動くものと動かないもの 風と土 人にも風の性と土の性がある 風は遠くから理想を含んでやってくるもの 土はそこにあった生命を生み出して育むもの 君、風性の人ならば、土を求めて吹く風になれ 君、土性の人ならば風を呼びこむ土になれ これは、元信州大学教授だった玉井袈裟夫の「風土舎創立宣言」という詩の抜粋である。とても有名な詩だが、知ったのはごく最近だ。 私が初めて土の性という言葉を知ったのは、山田洋次が編集したエッセイのアンソロジーの中だった。 筆者が思い出せないけれど、たしか「土の性」の人が発する言葉に傷つくというような、土の性に対して否定的な内容だった。 だから、この詩…