院か犬か事件 南北朝時代の著名な事件の一つとして、美濃国守護・土岐頼遠による光厳上皇狼藉事件(以下「院か犬か事件」という)があります。南北朝時代を象徴する事件であり、ずいぶん有名な話なので御存知の方も多いでしょうが、改めてあらましを述べると以下の通りです(以下、『太平記』『中院一品記』によります)。 時に、室町幕府樹立(1336)からしばらく経った康永1年(1342)9月6日のこと。光厳上皇の御幸が、笠懸帰りの土岐頼遠の一行と行き合いました。このとき光厳上皇に扈従していた西園寺公重は、馬から降りるよう土岐頼遠に促しました。ところが、したたかに酔っていた土岐頼遠は、下馬の指示に従うどころか、「院…