2021年8月10日第1刷発行 裏表紙「江戸時代の大坂・道頓堀。穂積成章は父から近松門左衛門の硯をもらい、浄瑠璃作者・近松半二として歩みだす。だが弟弟子には先を越され、人形遣いからは何度も書き直させられ、それでも書かずにはいられない。物語が生まれる様を圧倒的熱量と義太夫のごとき流麗な語りで描く、直木賞&高校生直木賞受賞作。解説・豊竹呂太夫」 どこかのHPで、「人形浄瑠璃作者、近松半二の生涯を描いた比類なき名作!」とあったが、その通りだと思う。手に取った時は正直、取っつきにくい印象を持ったが、読み進めていくうちに、「渦」というタイトルの持つ意味にぐいぐい引き込まれていった。歌舞伎や操浄瑠璃も、「…