「私は私の気質の多くが環境よりも先天的なもので、その一部が母の血であることに気付いたが、残る部分が父からのものであるのを感じていた。私は父を知らなかった。 そこで私は『伝記』を読んだ。それは父の中に私を捜すためであった。そして私は多くの不愉快な私の影を見出した。 父に就て長所美点と賞揚せられていることが私にとっては短所弱点であり、それは私に遺恨の如く痛烈に理解せられるのであった」(坂口安吾『風と光と二十の私と・いずこへ』中「石の思い」より)< www.youtube.com 坂口安吾(1)より: 「父を知らなかったので、父の『伝記』を読んだ」とは、どういう親子関係といえばいいのでしょう。父が亡…