私の地元には有名な桜並木がある。 駅からの坂道。 堂々と立ち並ぶ桜の木。 学生時代、この道を通る毎日。 桜の花が咲く頃には、新しい生活の始まりを感じた。 桜の花びらが舞う頃には、新しい想いを抱いていた。 「いってきます。」と少し慌てた私。 「ただいま。」と笑顔でステップする私。 この桜並木は、たくさんの私を見守ってきた。 同じ町でも、この道は私にとって特別だった。 友達と自転車で坂を下った道。 家族と手を繋いで登った道。 この道を通るときには気持ちが晴れやかだった。 社会人になり、私はこの町を離れた。 そして、離れて初めて気付いた気持ち。 あの桜が見れないのは・・・ 「さみしい。」 それからと…