日本(出身)の作家 1937年(昭和12年) 東京都に生まれる。 日比谷高校、学習院大学文学部哲学科卒。 イタリアに渡ったのち、1968年に作家としてデビュー。以降、「ローマ人の物語」を始め数々の著作を送る。 2006年12月、1992年から刊行されていた「ローマ人の物語」がついに完結した。 吉田望事務所の顧問でもある。
塩野七生氏の歴史絵巻三部作のうち、これが二作目。 こんな話 前作同様、ヴェネツィアの貴族マルコが主人公。 前作末、政治勢力図の変更もありヴェネツィアでの殺人事件のごたごたの責任を取らされ、一時的な追放を余儀なくされたマルコ。外遊ということでフィレンツェへ。 これまたフィレンツェで政治騒動に巻き込まれますが、フィクションですのでそんな偶然もご愛敬。 今回の舞台はルネサンス期後半のフィレンツェです。隆盛を極めたメディチ家、ではなく、むしろ経済的には落ち目にあり、軍事や政治へシフトしつつあるメディチ家を描きます。 政体論からの、現代政治 塩野氏というと、歴史と共に、イタリア政治を語るイメージがありま…
今回は塩野七生氏の「ローマ人の物語」を要約していきます。8は「ユリウス・カエサル ルビコン以前」の上巻です。ローマを共和政から帝政へ移行させていく方向に大きく動かしたユリウス・カエサルの生涯を紐解いていくのが8の目的です。8はその上中下巻の上巻にあたり、ユリウス・カエサルの生い立ち~青年後期にあたる紀元前100~61年までを扱います。 「ローマ人の物語8」 ■ジャンル:世界史・歴史小説 ■読破難易度:低(非常によみやすい文体で書かれており、一部物語調なのでサクサク読めます。世界史の教科書や地図を手元に置いて読むとわかりやすくなります。) ■対象者:・ヨーロッパの歴史について興味関心のある方 ・…
皆さん、こんにちは。 私事ですが、毎年Year Resolutionを作成しています。簡単に言うとプライベートでのKPI。この中で数年前から旅行KPIというのを作っており(実際は奥様の満足度向上KPI、という名称なのですが)、なるべく家内を旅行に連れ出すという事をしています(怒りの目線を私から反らす、と)。 で、今年は大枚をはたいてイタリアに行きました。 ヴェネツィアにはいきませんでしたが、ローマとフィレンツェをゆっくり回りました。 ということで今回の読書は、事後学習!?とも言うべき後追い読書の位置づけであります。個人的にこつこつと世界史を学んでいる身としては、トルコ関連の内容がこれまたしみい…
今回は塩野七生氏の「ローマ人の物語」を要約していきます。7は「勝者の混迷」の下巻であり、紀元前110~紀元前63年の混沌とした時代を描きます。前半は共和政ローマ末期を牽引したガイウス・マリウス・ルキウス・コルネリウス・スッラの執政官としての振る舞いに関する記述がなされ、後半は後に第一回三頭政治を取り仕切ることになるグナエウス・ポンペイウスのローマ帝国領土東方拡大の様が記述されています。 「ローマ人の物語7」 ■ジャンル:世界史・歴史小説 ■読破難易度:低(非常によみやすい文体で書かれており、一部物語調なのでサクサク読めます。世界史の教科書や地図を手元に置いて読むとわかりやすくなります。) ■対…
一条真也です。たった一字に深い意味を秘めている文字は、世界でも漢字だけです。そこには、人のこころを豊かにする言霊が宿っています。その意味を知れば、さらに、こころは豊かになるでしょう。今回の「こころの一字」は、「贈」です。 異性・同性にかかわらず多くの人の心をつかむ者には、いわゆるプレゼント魔が多いようです。よく知られているのは、かのユリウス・カエサル。彼は多くの愛人がいましたが、借金をしてまで、自ら選んだ高価な品を彼女たちに贈るので、評判でした。名家出身という肩書きも、輝かしいキャリアも、特別な美貌もなかった若き日のカエサルですが、すらりと背は高く均整のとれた肉体と、生き生きとした黒い眼と、立…
今回は塩野七生氏の「ローマ人の物語」を要約していきます。6は「勝者の混迷」の上巻であり、紀元前133~紀元前78年の混沌とした時代を描きます。ポエニ戦争が終結し、マケドニア王国・カルタゴが滅亡しヨーロッパ世界に圧倒的な覇権をもって君臨するローマ帝国の様相を呈した時代は内乱が絶え間ない時期でした。上巻ではグラックス兄弟の改革・ガイウス・マリウスの台頭・同盟者戦役勃発・ルキウス・コルネリウス・スッラの台頭までを描きます。 「ローマ人の物語6」 ■ジャンル:世界史・歴史小説 ■読破難易度:低(非常によみやすい文体で書かれており、一部物語調なのでサクサク読めます。世界史の教科書や地図を手元に置いて読む…
今回は塩野七生氏の「ローマ人の物語」を要約していきます。5は「ハンニバル戦記」の上中下巻の下巻であり、紀元前205~紀元前146年の第二次ポエニ戦争終結、事後のマケドニア王国・カルタゴ滅亡までを描いています。4最終盤でローマ軍の救世主として登場したスキピオが引き続き戦いを率いてついにカルタゴ軍の名将ハンニバルと相まみえます。前半は主に第二次ポエニ戦争の個別戦局に関する記述が中心で後半は事後のローマ帝国マネジメント方針や同盟国マケドニア・ギリシア文明・カルタゴとの折衝の様が描かれます。 「ローマ人の物語5」 ■ジャンル:世界史・歴史小説 ■読破難易度:低(非常によみやすい文体で書かれており、一部…
『男たちへ フツウの男をフツウでない男にするための54章』/塩野七生/文春文庫/1993年刊 塩野七生さんの『男たちへ』のようなコラムを書きませんか、と言われたことがある。もう二十年近く前の話だ。駆け出しのフリーライターにとって原稿の依頼は何でもありがたい。しかし、実際にその本を手に取ってみて大いに困惑した。「フツウの男をフツウでない男にするための54章」というのがそのサブタイトルで、言ってみれば男性論。二十代前半の小娘の書く男性論を、読みたいですか? 私はあんまり、読みたいと思わないなあ。 なんて思ったことを正直に言っていたのでは仕事にならない。代替案にごにょごにょと言い訳を添えて、なんとか…
今回は塩野七生氏の「ローマ人の物語」を要約していきます。3は「ハンニバル戦記」の上中巻の上巻であり、上巻はローマがイタリア半島を統一してからシチリア半島の領有権を巡り、北アフリカのカルタゴとポエニ戦争を繰り広げる様を記述しています。主に紀元前264年~219年のローマの動向を描いており、第一次ポエニ戦争に勝利し事後のローマ周辺地域の統治体制の構築までを描きます。 「ローマ人の物語3」 ■ジャンル:世界史・歴史小説 ■読破難易度:低(非常に読みやすい文体で書かれており、一部物語調なのでサクサク読めます。世界史の教科書や地図を手元に置いて読むとよりわかりやすくなります。) ■対象者:・ヨーロッパの…
今回は塩野七生氏の「ローマ人の物語」を要約していきます。2は「ローマは一日にして成らず」の上下巻の下巻であり、上巻に引き続きギリシア文明の栄衰と比較する形で紀元前5世紀~紀元前3世紀の共和政ローマの時代をまとめています。 「ローマ人の物語2」 ■ジャンル:世界史・歴史小説 ■読破難易度:低(非常に読みやすい文体で書かれており、一部物語調なのでサクサク読めます。世界史の教科書や地図を手元に置いて読むとよりわかりやすくなります。) ■対象者:・ヨーロッパの歴史について興味関心のある方全般 ・ローマの栄枯盛衰の変遷を詳しく理解したい方 ※ローマ人の物語1は下記※ ■要約≪ローマ人の物語1≫ - 雑感…
『女の絶望』/伊藤比呂美/光文社文庫/2011年刊 兄や姉と一緒に『ルパン三世』の再放送を見ていた頃、オープニングソングで「お~とこには~じぶんの~セェカァイがぁある!」というBメロに差し掛かると、子ども心に「女にはないのかなあ」と思ったものだった。二十代になると、カラオケで『男の勲章』を熱唱する先輩に「女の勲章って何だと思います?」と絡んだりもした。 男の美学を歌った歌はあるけれども、女の美学を歌った歌はない(私が知らないだけかもしれないが)。「男の隠れ家」という雑誌はあるけど、「女の隠れ家」という雑誌はない。塩野七生さんのエッセイにも、「男のロマンという言葉があるけれども、同じことを女がや…
日本人女性が相次いでクルド人に襲われる埼玉県川口市クルド自治区 無力な警察に代わり日本人有志による自警団が結成される世紀末状態に:ハムスター速報 任侠団体の成立も、警察が手出しできない三国人の跋扈する闇市の治安維持がルーツでしたからね。青息吐息の反社団体に代わる新たな民間暴力団体の萌芽を目撃していると思うと胸熱です。腕自慢の半グレや迷惑系YouTUberの皆さん次代の英雄になるチャンスですよ。 年度末まであと半月。この山のように積まれた年度内には片づけましょう案件本当に全部片付くんだろうか。頑張れ来週再来週の俺。皇帝たちの都ローマ: 都市に刻まれた権力者像 (中公新書 1100)作者:青柳 正…
村上隆が、レギュラーDJを務める毎週月曜⽇の夜10時から1時間にわたってお送りする注目のニュープログラム『MONONOKE RADIO』初回O.A.は、4月1日(月)スタート! 個展の主題歌「Mononoke Kyoto」を書き下ろしたHIP-HOPファンから絶大な支持を得る今最もホットなアーティスト「JP THE WAVY」が、4月8日(月)、15日(月)の2週にわたり番組初のゲストに登場! <PROGRAM INFORMATION> 『MONONOKE RADIO』(モノノケ レディオ) 【ON AIR】毎週月曜日 22:00-23:00 ★4月1日(月) 初回O.A.スタート! 【DJ】…
月刊誌・文藝春秋には「ローマ人の物語」などの作品で知られるイタリア在住の作家・塩野七生さんの「日本人へ」と題するエッセイが毎号載せられている。 三月号は「令和の廃藩置県」と題するもので、早とちりの私は、地方の衰退が頭に有る関係からか、いわゆる道州制や地方創生に関するものだろうと思い読み始めたが、日本の現状の閉塞感に関わることには変わりがないが別の角度からの提言であった。 その前提になっているのが、今の日本の実情、"諸々の事件が複雑に入り交じり互いに交錯しているなかで、停滞感や閉塞感に悩んでいる状況"が日本の歴史のなかで幕末から維新にかけての一時期と似ているという認識である。 当時廃藩置県を主導…
▶8日は、列車でナポリに行く。午前11時15分にローマのテルミニ駅を出て、12時半にナポリ中央駅に到着した。利用したのはイタリア新幹線で、ローマ・ナポリ間を1時間と少しで移動出来るのでいたって便利である。ちょうど昼時なのでテルミニ駅で旨そうなピザを買い込んで車中で食べるつもりでいたが、周囲を見たら誰も仲間がいないのはやや意外。少し恥ずかしかったが、買ってしまったものは食べなければならない。 ▶ナポリはローマから南東に220km程の位置にあり、古くは独立した都市国家だったが、ローマの台頭であっさり征服された。ただローマの支配下に入ったのは結果的に良かったようで、その後のナポリの繁栄はローマによっ…
皆さん、こんにちは。 この前約10年ぶりにYahoo!オークションを利用し、文庫本をバルクで購入しました(塩野七生さん関連ですが)。 実は事前にメルカリも見たのですが、概観としてメルカリは高く、Yahoo!オークションは軒並み安いという結果でした。 同じ商品なのに値段が違う。なぜなのでしょうか? 売り手が既存のプラットフォームから新たなプラットフォーム・チャネルを拡大できず、他方買い手はより新しいプラットフォームに流れるから? あるいは私が購入したのは例外だったのか? マーケット、プライシングとは、これまた奥深い世界であります。 こうした複数のプラットフォームから、共通するマークアップ言語の要…
▶古代ローマを一言で表現するとしたら、最も相応しい言葉は「全ての道は、ローマに通ず」ではないだろうか。紀元2世紀のハドリアヌス帝の治世の頃には、北はイギリス、東は中東メソポタミア、西はスペイン、南はアフリカのサハラ砂漠以北まで、ローマはその領土を拡大した。ハドリアヌスは実際にその全ての地域に自ら足を運んで政治を行ったが、それを可能にしたのは石畳で整備されたローマ街道があったからである。 ▶ローマにとって街道整備の最大の目的は、軍隊の移動の容易さを担保する戦略的なものであり、従ってローマにとっては整備された街道は防衛の生命線であった。それはまさに現代の高速道路に匹敵すると塩野七生は力説する。しか…
▶イタリア半島の文明史は良くは知らないが、歴史に最初に登場するのはエトルリア人のようである。当時のエトルリア人の土木建築の技術レベルは高く、その後に続くローマ文明の多くはエトルリアの影響を大きく受けている。ちなみに、バチカン美術館には、エトルリア人が残した数々の美術の一端が紹介されているのは興味深い。 ▶伝説によれば、古代都市国家ローマは、紀元前753年に狼に育てられた双子の兄弟の片割れであるロムルスによって建国された。有名な狼によって乳を与えられるロムルスとレムス兄弟のブロンズ像は、現在カピトリーノ美術館にある。但し先にあったのは雌の狼像で、双子の兄弟の像は、あとから付け加えられたものである…
散歩の途中のコンビニで「文藝春秋」4月号を購入。 文藝春秋2024年4月号[雑誌] 作者:藤原正彦,塩野七生,保坂正康,佐藤優,鹿島茂,清武英利,京極夏彦,内館牧子,柳田邦男 文藝春秋 Amazon 兄・村上隆 俺は好き嫌いしか判断力のない日本の美術界が嫌で、博士課程を終えて早々に日本画をはなれたけど。 一歩日本を出たら世界の美術シーンには圧倒的な階級構造があって。 俺はカイカイキキというチームで創る 自分のどこかにリアリティがないと作品に向き合えない。 自我を崩壊させるような体験がないとな 「ネット時代で情報がフラット化して、賢い人はより賢くスピーディに世界を拡げて金を稼げるけど、愚鈍な者は…
▶ローマに来ていると、時差が原因か年齢のなせる業かは知らぬが、夜中の3時頃に目が覚めてしまい、その後は寝付けない。もっとも近くのリストランテで午後6時頃に夕食を取ってしまうと、疲れと酒のせいですぐに眠たくなる。そして午後9時にはベッドに入ってしまう毎日だから、夜中に目覚めるのは何の不思議もない。 ▶今朝(6日)も真夜中に目覚めてしまったので、ベッドの中で今日の行動パターンを考えていた。天候は晴れたり曇ったりだが、にわか雨の可能性もありそう。事前に計画していた目的地で残っている主要なところと言えば、コロッセオ、フォロ・ロマーノ、バチカン美術館、アッピア街道。残り2日では難しい気配だ。バチカン美術…
▶ローマ3日目の火曜日は、ローマ・カトリックの総本山であるサン・ピエトロ大聖堂の訪問から始まった。本来は月曜に行く予定だったことは既に書いた通り。ここは宿泊しているアパートから2km程の距離なので、日曜の午後一度下見に来ているが、その時は広大な広場を横切るように長大な入場待ちの行列ができているのを見て、驚いた。列の進み具合からして2時間以上は並びそうな気配だったからである。 ▶大聖堂が開くのは午前7時からなので、一番乗りすれば何とかなると思い、昨日とは異なり気合いを入れて午前6時半にアパートを出た。朝は早いが、既にクルマの量は多い。ティヴェレ川を超える時に右前方にサンタンジェロ城が見えてきた。…