// かつての日本の家は(小さな家でも)大きな空間をふすまや障子で仕切り、開閉を自在にしながら住みこなす技術が求められました。それが、ある時期からプライバシー確保の名のもとに小さな面積にたくさん壁が設けられ、狭い個室ばかりの家が増えていきます。nLDKという、実は世界に例のない日本独自の空間概念が生まれ、家族の暮らしも、家族と家族の気持ちのつながりまでも分断されつつあります。建築的な壁はハンマーで壊すこともできますが、いったん家族の間にできた心と心を隔てる壁は、そう簡単には壊すことができないのです。 Contents. 家族が音でつながっていた家 聞こえていても聞かない意志 プライバシーって何…