長閑な比企の山間の川底に、人知れず青みを帯びた岩石が顔をのぞかせています。 川の水を掛けてみるや否や、たちまち藍染を彷彿とさせんばかりの、目覚ましい群青色を帯びるこの岩石こそ、言うまでもなく青色片岩です。 関東山地東縁には、中生代白亜紀のプレート沈み込み帯深部で生じた (低温高圧型) 変成岩からなる「三波川変成帯」が広く分布しています。 青色片岩はいわば沈み込み帯の岩石の代名詞であり、徳島県眉山や高越に広い産出が知られています。県内では小川町などで見られ、実際の岩石標本は県立自然の博物館の常設展示で、観察することが可能です(バーチャル展示室)。 深い藍色の原因は、Na2(Fe(II),Mg)3…