夏のサンタクロース: フィンランドのお話集 (岩波少年文庫 259) 作者:アンニ・スヴァン,ルドルフ・コイヴ 岩波書店 Amazon むかし、ひとりの男がいて、息子が三人ありました。息子たちは大きくなると、お父さんに向かって、こういいました。 「のくたちに、つえを一本と、お弁当を入れた背負いかごどひとつずつください。世の中へ出ていって、運だめしをしたいんです」 こんな風にはじまるのは巻頭作「お話のかご」。三人の若者は、たがいにさようならをいいあって、それぞれ選んだ道を歩き出す。古今東西、三人兄弟姉妹が出てくるお話は山ほどあるけれど、ごく希に苦労を背負ってきたであろう一番上が報われることがある…