一般読者の分からない単語を使ってはいけないという考え方は確かにおかしい。読者の知識とは無関係に小説の言葉の豊かさというものがある。小説の中の言葉は、買うことも食べることも消費することもできない。ただ、そこにあるのを読者が読むだけで、読むことによって言葉が減るということはないから、いつまでもその豊かさは残る。わたしたちはそれに触れることのできる喜びを味わえばいい。分からない単語があったら、放っておいてもいいし、辞書で調べてもいい。小説にとって、読者はお客様ではない。お客様にあわせて貧しくなる必要はどこにもない。(多和田葉子『言葉と歩く日記』岩波新書、2013) こんにちは。小説だけでなく、学校に…